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send 大手海運、コンテナ船のコスト競争で明暗 好調の郵船&川崎汽、出遅れた商船三井

2014年12月12日 金曜日

bsd1412120500004-p1   大手海運各社が進めているコンテナ船のコスト削減などの事業改革が、明暗を分けている。日本郵船は航海中の船から得たビッグデータを収集・分析するシステムを確立し、川崎汽船は超大型船を積極的に投入することで、コスト削減を進める。一方、出遅れ感のある商船三井はコスト削減に本腰を入れる。   業績改善で明暗 日本郵船では、2012年度から実施している「最適経済運航プロジェクト」が目に見える成果を上げている。コンテナ船に運航モニタリングシステムを導入し、航海中の風向きなどの気象やエンジンの回転数、速度などの膨大なデータを収集・分析。燃料費を効率的に節減する航海計画が作成される。情報は専用ポータルサイトに掲載され、船長、運航担当者、船舶代理店などが共有し、迅速な意思決定ができる。   現在、50隻のコンテナ船で同プロジェクトを実施しており、年間数十億円の費用低減効果がある。同社は今年4~9月にコンテナ船事業で83億円のコスト削減を達成したが、同プロジェクトの貢献が大きかった。工藤泰三社長は「16年度以降、コンテナ船事業の安定した利益計上が視野に入ってきた」とみる。同プロジェクトの研究開発を担当する日本郵船子会社、MTIの安藤英幸・船舶技術部門長は「今後、コンテナ船以外でも展開していきたい」と意気込む。   省エネ性能の高い新造船を購入し、燃料費を削減しようとするのが川崎汽船だ。同社は、大型コンテナ船を15年と18年にそれぞれ5隻ずつ計10隻投入する計画。08年のリーマン・ショック以降、大規模な発注を見合わせていたが、主要航路のアジア発北米向けの荷動きが活発となり、大型投資を決めた。   投入するコンテナ船の積載量は、1万4000TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個分)の超大型船で、主流だった8000TEUクラスより燃費効率が良い。同社は「最新の省エネ機能も備えており、コスト競争力強化につながる」と説明する。同社は、1隻で年間20億円規模の削減効果を期待する。   日本郵船、川崎汽船のコンテナ船事業は好調だ。米国経済の復調を背景に、アジア発北米向け航路の荷動きが活発になっているからだ。15年3月期におけるコンテナ船事業の経常黒字は、日本郵船が79億円(前期は7億円の赤字)、川崎汽船が55億円(同1億円の赤字)と好転する見通しだ。両社ともコスト削減をさらに進める。   商船三井に出遅れ感 一方、コンテナ船事業で劣勢に立たされているのが商船三井だ。14年9月中間決算におけるコンテナ船事業の経常赤字は108億円(前年同期は37億円の赤字)で、大手3社で唯一マイナスだった。他の2社より比重を置いていた南米向け航路で、ブラジルの景気減速や、競合船の増加により採算性が悪化し、足を引っ張った格好だ。15年3月期も赤字見通しだ。   同社は「経済性で劣る中型船の処分、アライアンス(共同配船の提携)の拡大、減速航海の強化などでほぼ期初の想定通り進捗(しんちょく)している」と話すが、さらなる経費削減策が必要となる。   15年以降もコンテナ船市場は競争激化が予想される。14年の新造コンテナ船の総積載量は過去最高の160万TEUを超える見通しで、15年、16年も高水準で推移する。1万TEU超の大型船の発注が活発になるなど輸送効率の良い新造船が増えるからだ。収益構造を改善できなければ事業再編も視野に入れざるを得ず、各社とも正念場を迎えている。(鈴木正行)

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