就活お役立ちビジネスニュース

send 大手不動産、ベンチャー注力 三井不、投資ファンド設立 大口テナントに育成

2016年2月24日 水曜日

  bsd1602240500004-p1   大手不動産各社がベンチャーへの支援策を強化している。三井不動産は23日、投資ファンドを設立したと発表。40~50社のベンチャーに向けて投資を行う意向を明らかにした。森ビルは大企業や投資家との交流の場づくりに力を入れるほか、三菱地所は金融とITの融合であるフィンテック関連の企業を対象にした拠点を、東京・丸の内に設立した。若い企業を呼び込むことで街の活性化を図るとともに、企業が成長し大口テナントになってもらう狙いがある。   「日本発の新しい産業が誕生するのでは、という期待感でワクワクしている。中長期的な視点でじっくり育成したい」   三井不動産の北原義一取締役は同日、東京ミッドタウンで行われた会見でベンチャーの可能性に対する熱い思いを吐露した。   同社が独立系ベンチャーキャピタル最大手のグローバル・ブレイン(東京都渋谷区)と共同で立ち上げたのは、事業会社が自己資金によって投資活動を行う「CVCファンド」。規模は50億円でセキュリティーやライフサイエンス、ロボティクスといった今後の成長が見込まれる8分野の企業を対象とする。  

交流の場づくり

  ベンチャー支援に力を入れる理由は「国内マーケットが成熟する中、新たな領域の需要創造につなげ、将来の有力テナントを輩出するため」(菅原晶ベンチャー共創事業部長)。こうした考えに基づき、東京・日本橋や柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)など4カ所で、起業家が集う施設を運営している。   4月には、「31(サンイチ)VENTURESクラブ」を設立。各施設の中だけでなく、全会員の相互交流が進むような仕掛けを行う。また、都内を中心に施設も増強。現在の延べ床面積は合計で約6000平方メートルだが、2017年度までに倍増する計画だ。  

ベンチャーの囲い込みが各デベロッパーにとって課題となる中、三井不動産が最大の武器と自負しているのが、自社が運営するオフィス・商業施設のテナントとのネットワーク。その数は5500社に達するといい、ベンチャーとの組み合わせによる化学反応に期待を寄せる。

  森ビルは昨年、「ヒルズ・イグニッション・プログラム(HIP)」を立ち上げた。HIPの基盤にあるのは「異業種が交わりコミュニティーを活発化することで、新しいビジネスが誕生する」という考え。それを踏まえ、起業家や企業内の新規事業立案者などに向けて、さまざまな学びや交流の機会を提供する。東京・赤坂のアークヒルズには開業30周年を機に、投資家や起業家が交流できる拠点を設置する。  

街の活性化狙う

  虎ノ門ヒルズでは、コミュニティーづくりの支援を意識した取り組みに力を入れる。代表的な事例が中小企業基盤整備機構が今月10日に開催した起業家の登竜門「ジャパンベンチャーアワード」。昨年までは六本木ヒルズだったが、虎ノ門へと舞台を移した。イベントの目玉は受賞ノミネート企業(今年は14社)をはじめとしたベンチャーと参加者の名刺交換会と、交流会。こうした取り組みを通じ「人や情報が集まるようにして国際新都心づくりにはずみをつける」(イノベーティブビジネス担当の飛松健太郎リーダー)のが目的だ。   三菱地所は今月1日、東京・丸の内のオフィスビルに、新興企業向けの共同オフィスを開いた。フィンテックに取り組む企業が中心で、コワーキングスペースのほかセミナールームを設置。同業者による勉強会や弁護士による経営相談会も開催し、大企業との相乗効果による新たなビジネスの創出を目指す。   東京都心では現在、オフィス需要が強い。こうした中、20年の東京五輪に向けて都心部の再開発計画が急ピッチに進行。オフィスの供給過剰問題が指摘されており、20年以降、入居企業を激しく取り合う時代に突入するのは避けて通れない。  

その時点で勝者として名乗りを上げるには、成長が見込める有力ベンチャーとの接点を深めることが不可欠。施設の増強やマッチング機会の提供をはじめとしたベンチャー支援をめぐる動きは今後、加速しそうだ。(伊藤俊祐)

  大手不動産のベンチャー向け事業展開   三井不動産/ベンチャー向けオフィスの面積を2017年度までに倍増 三菱地所/フィンテックに取り組む企業に向けた拠点を東京・丸の内に開設 森ビル/アークヒルズ(東京・赤坂)に投資家と起業家の交流拠点を設置 東急不動産/会員制オフィス貸し出しサービス「ビジネスエアポート」を展開

フジサンケイビジネスアイ

就職コンサルナビ

イノベーションズアイ