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send 大きすぎた「バーバリー」の穴が埋まらない… 三陽商会、新ブランドの認知度「28分の1」

2016年7月4日 月曜日

  bsc1607040500001-p1   アパレル大手の三陽商会が、45年に及ぶ英バーバリーとのライセンス契約を昨年6月末に終了してから1年がたった。売上高のほぼ半分を稼いでいた主力ブランドの抜けた穴は大きく、後継事業として立ち上げたブランドも販売が計画の約8割にとどまっている。百貨店を中心に衣料品市場全体の販売不振も重なり、全部で21ある取り扱いブランドの多くで売り上げが前年を下回る状況。6月24日には希望退職の実施を打ち出さざるを得なくなった。消費回復の兆しが見えない中、成長軌道への復帰を目指し正念場が続く。   認知度に大きな差   「もっと認知度を上げていかないといけない」   三陽商会の佐久間睦専務執行役員は、新ブランド「マッキントッシュロンドン」の2年目に向けた課題をそう話す。   マッキントッシュは英国の老舗ブランドで、現在は日本の八木通商が保有。布地の上にゴム素材をコーティングした「ゴム引き」のコートで知られる。三陽商会は2007年から主に30代向けのブランド「フィロソフィー」を展開してきた。バーバリーを失った同社が、その上位ブランドとして昨年7月に立ち上げたのが「ロンドン」で、ファッションに関心の深い45歳以上の男女を主要なターゲットに据えている。  

滑り出しは順調だった。バーバリーを展開していた約360店のうち、当初の予想を60店も超える約260店を確保するのに成功。9月半ばまでに、ほぼ全店のオープンにこぎつけた。

  しかし、抜群の知名度を誇るバーバリーとの差はあまりにも大きい。同社が立ち上げ直後の昨年8月、30~50歳の男女約2000人に知っている英国ブランドを3つ挙げるよう質問したところ、マッキントッシュと答えた人はバーバリーの28分の1しかいなかった。同社もそれは自覚しており、広告宣伝に多額の費用をつぎ込んだものの、3カ月後の10月時点でも18分の1にとどまった。   さらに、コートなどの「重衣料」が主体のため、暖冬にも足を引っ張られた。   巻き返しを図るべく、7月にはバーバリーでは行わなかった半期に1度のセールに初めて乗り出す方針だ。固定客獲得にも努め、18年には200億円の売り上げ目標を掲げる。   佐久間専務執行役員は「株安など環境的なマイナス要因はあったが、前向きな感じはある」と達成に意欲をみせる。  

もっとも、アパレル業界を取り巻く環境は厳しい。特に同社が得意とする百貨店における衣料品販売は、消費低迷やファストファッションの台頭で、10年からの5年間で約1800億円も減少した。最近はファストファッションですら苦しく、5月には米ギャップが低価格衣料「オールドネイビー」の日本撤退を発表している。

  アパレル不況も影響   三陽商会はもともと、バーバリーがなくなることで、16年6月中間期は22億円の営業赤字に転落するとみていた。   しかし、アパレル不況で全体的に販売が落ち込んでいることから、先月になって中間期の業績予想を下方修正。赤字額は55億円に膨らむ見通しだ。10月には全社員の約2割にあたる約250人の希望退職を募るほか、不採算の数ブランドを休廃止する方向で検討中だ。   同社は「ロンドン」が順調に育てば、18年12月期に営業利益50億円への回復を見込めるとしている。しかし、計画達成には新ブランド育成だけでなく、徹底した構造改革も欠かせない。(井田通人)

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