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send 外国法弁護士、売り手市場の背景 国際訴訟リスク高まり雇用増

2014年9月12日 金曜日

  bsg1409120500001-p1   グローバル化の進展に伴い、日本企業はコンプライアンス(法令順守)や知的財産権などの国際訴訟やトラブルのリスクに直面している。進出先の国の法律や習慣などに不慣れだと、不利な扱いを受けるケースも少なくない。そんな中、外国の法律に関する事務に精通する弁護士を雇用する企業が増えている。企業法務の役割がトラブルなどの事後処理だけでなく、事前予防や事業戦略の意思決定に関与するなど、拡大していることが背景にある。   商機拡大に不可欠    法務部をグローバル組織にしているのが、ユニクロなどの衣料品ブランドを世界で展開するファーストリテイリング。日本のほか米国、欧州、アジアの主要国の現地法人で弁護士を抱えている。    法律事務を取り扱える国・地域の内訳は、米国9人、日本3人、中国4人、フランス2人、台湾2人のほか、韓国、シンガポール、インドネシア、コロンビア各1人(複数国の有資格者を含む)。同社では3年以内にグローバルでの法務部を50人にし、このうち約40人を弁護士にする計画だ。    同社の法務部は、営業、マーケティング、生産部門など他部署と一緒に行動する。「従業員全員が経営者マインドで経営に関わる」という方針のためだ。    例えば、海外に新規の店舗や生産拠点をつくる場合、法務部の担当者が営業や生産の担当者とともに現地に行き、現地の弁護士と協力して情報収集して契約交渉にあたり、スピード感のあるビジネスを展開している。    社内業務で重要度を増している商品の偽物対策では、製造・流通ルートをすみやかに発見し、排除することも。コンプライアンス対策では、従業員が法令違反をしないよう各国で研修を実施。知識不足で外国法令に抵触するのを防ぐことも重要な役目としている。    企業が社内に外国の法律を取り扱う弁護士を抱えることは、ビジネスチャンスの拡大に不可欠とみるからだ。特に、独占禁止法、知的財産権、M&A(企業の合併・買収)、PL(製造物責任)法など、海外での企業活動で関係する法律が専門・細分化されており、法務部門のレベルアップが急務となっている。   今後は外資系に需要    インターネット関連事業を手掛けるLINE(東京都渋谷区)の法務室で海外契約を担当する千日洋美氏は、米カリフォルニア州の弁護士資格を持つ。同社は海外ユーザーを獲得するため、各国での人気コンテンツの取得を目指し、ライセンス契約を進めている。    外国法に精通している弁護士について千日氏は、「外国企業とは商習慣や法体系が違うので、日本の法律のバックグラウンドだけでは対応しきれない。米国弁護士の場合、英語ができるというだけにとどまらず、英米法を十分に理解している」と重宝される理由を説明する。    今後については「外資系の日本法人での需要が増えるのではないか」(千日氏)とみる。同社では事業拡大に伴い、法務部の体制強化も積極的に行っていく方針だ。   企業間の獲得競争が過熱    近年、企業の法務部門が注目しているのが、日本国内で外国の法律に関する事務を取り扱える「外国法事務弁護士」の存在だ。日本弁護士連合会への登録者は384人(2014年8月末時点)と制度発足以来、右肩上がりで増えている。    現状では企業の法務部員としての実務であれば、外国法事務弁護士の届け出義務がないことから、企業内弁護士としての雇用例は少ない。ただ、今後は優秀な人材をめぐる企業間の獲得競争が過熱しそうだ。    米国の弁護士取得講座を開講しているアビタス(東京都渋谷区)の三輪豊明社長は「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が締結され、国際ビジネス取引が加速すれば、米国弁護士資格のニーズはますます高まるだろう」と予測している。(佐竹一秀)

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