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売り手就活、ベンチャーの奇策 「社長確約」「長期インターン」で知名度補う
2016年5月25日 水曜日

採用基準は明解。面接官が「将来、自分の上司にしてもいいと思えるか」に尽きる。つまりリーダーシップを発揮して入社3年で社長になれる意欲・ポテンシャルを見る。
新入社員は入社後2年間、人材育成サービスの提供に携わり、3年目に採用支援事業を行う子会社トップとして1年間限定で、辣腕(らつわん)を振う。 ただ、「同期の中で社長に就くのは1人(そのほかは副社長、専務など)なので、2年間は互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながらポジションを争う。選ばれるには圧倒的に成長する必要がある」と上林副社長は強調する。 20代から組織のトップとして活躍することで、飛躍的な成長が期待できるという。これによりシェイクを「若手社員が圧倒的に成長する会社に変革させる」(吉田実社長)とともに、人材育成会社として提供するサービスの有効性をアピールする。 ◆社風理解に期待 大企業が採用数を増やす中、企業規模が小さく認知度が低いベンチャーは学生から選ばれにくい。就職情報会社マイナビが実施した17年春卒業予定の学生へのアンケートでは、就職先として「大手企業が良い」と答えた人は48.4%に達し、16年卒より5.5ポイント増え、売り手市場を反映して大手志向が明らかになった。こうした中、ベンチャーは優秀な学生を獲得するためインターンを活用。社風や仕事内容を理解し魅力を感じてくれれば、そのまま新卒として入社してくれる可能性があるからだ。1年を超す長期インターンで一緒に仕事をすれば、人となりも分かり、ミスマッチによる早期退職を防ぐこともできる。
◇ ■えりすぐり学生 正社員と垣根なし 「インターンを、スタンダードに」を使命に掲げるアイタンクジャパンはその先駆的存在。丹羽健二会長は「インターンからえりすぐりの学生を採る」と意欲的だ。 同社にインターン生が新卒社員として加わったのは設立4年目の2011年からで、それ以降は毎年、入社している。「正社員以上のパフォーマンスを出すインターン生もいる。正社員とインターン生の垣根はない」と丹羽会長は言い切る。この風通しの良さを決め手に入社する学生もいる。インターンで同社に働いていた青山学院大生は、他社の内定を断って仲間入りし、1年目から関西支社の立ち上げに関わった。 さらに、インターンから新卒の流れを確立するため、15年5月からピザパーティーを開催。毎回10人前後の学生を呼び、ピザを食べながらざっくばらんに話しあいインターンに誘う。駒沢大4年生は社会人としてのスタートダッシュを切るため、4月から就活しながらインターン生として平日週3日の営業活動に従事。沖縄の大学4年生は1年間、休学してインターン入社を決めた。4月から都内のシェアハウスに住みながら週5日のフルタイム勤務で汗を流している。
アイタンクジャパンの17年度の新卒採用計画は5人だが、このうち最低2人はインターン生を予定している。責任ある仕事を与えることでインターン生のモチベーションを上げ、採用につなげたい考えだ。