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send 地銀再編の旗頭…りそな注目の一手 M&Aに慎重、リテール投資を強化

2014年8月29日 金曜日

bse1408290500002-p1    地方を中心とした再編が取り沙汰される銀行業界で、りそなホールディングス(HD)の動向が注目されている。実質国有化された2003年の「りそなショック」から約11年。りそなHDは7月下旬、国が議決権を持つ株式を全て買い取り、一段と経営の自由度を高めた。「スーパー・リージョナル・バンク」と呼ばれる地銀を含めた再編構想が政府内に浮上し、その旗頭になるとの観測もある。りそなの次の一手は何か。    規模を優先せず  「M&A(企業の合併・買収)で先行する米国でも、規模の拡大を優先させた再編は、まずうまくいっていない。統合を経て互いにコア(中核ビジネス)を強化できるかが前提だ」    りそなHDが預金保険機構から1960億円の優先株買い取りを決定した7月25日の臨時取締役会。会議の終了後、東和浩社長は社外取締役との雑談でこう話し、米国の金融再編の歴史に触れながら、自身の念頭にある再編戦略を示唆した。    東社長が米国の金融史をひもときながら経営を語るのは珍しくない。社内の会議や打ち合わせでも、米銀の経営データや、過去の経営判断と背景事情、さらには経営陣の変遷まで語ってみせることもあるという。    スーパー・リージョナル・バンク構想は、米国の「広域地方銀行連合」がモデルとされる。米国ではかつて、州ごとに銀行の事業展開が制限されていたが、規制が緩和されるとM&Aで大型化した“勝ち組”銀行が相次ぎ登場した。    人口減少で縮小が避けられない国内市場で、地域金融機関は収益力低下が懸念される。有力地銀首脳は「(M&Aは)当然、選択肢の一つだ」と話す。    そうした中、数々のM&Aに彩られた米国の経験に、国内の銀行経営者が注目するのも無理はない。東社長も、米国のスーパー・リージョナル・バンクをめぐる動きにヒントを探っているのかもしれない。    地域密着が強み  東社長の目に手本として映る米銀は、ウェルズ・ファーゴ。サンフランシスコの一地銀から出発し、M&Aを通じて米銀トップの利益を稼ぎ出すまでに成長した。ひたむきにリテール(個人向け業務)の強みを磨いてきたウェルズ・ファーゴの株価は、08年の金融危機前から倍増の勢い。98年のトラベラーズとの大型統合を果たしたシティが、金融危機後に低迷しているのとは対照的だ。    りそなは「個人と中小企業に重きを置く」(東社長)方針のもと、メガバンクをしのぐ約600の店舗を展開し、休日営業拠点の開設などに取り組む。その基本戦略は、スーパーの店頭に窓口を置くなど地域密着のウェルズ・ファーゴと重なる。    りそなHDでは、元会長の故・細谷英二氏が経営改革を断行。高コスト性が指摘されるリテールビジネスにおいて、オペレーション改革の強化で創出した人員を営業部門に追加投入するなどして安定した利益を出せるようになった。現在、返済義務のある公的資金は1280億円。18年3月期までに返済する計画だが、アナリストは「既に前倒しする体力がある」と指摘する。    今後は稼いだ利益の使い道として、これまで優先させてきた公的資金返済から「投資にシフトしていく」(東社長)構えだ。ただ、投資は店舗の強化といったリテールに重点を置く方向で、当面は積極的なM&Aと距離を置くとみられる。    ■三井住友など秋波 動き出す“第4極”  それでも、金融界では「りそなが再編の行方を左右する」との声が絶えない。「大手行では、信託機能を取り込みたい三井住友銀行や、資産運用で手を組む三井住友信託銀行が、りそなに秋波を送っている」(大手行幹部)とされる。    その三井住友信託銀を傘下に持つ三井住友トラスト・ホールディングスは27日、横浜銀行との業務提携を検討すると発表した。業界再編のマグマはいつ吹き出してもおかしくない。    ウェルズ・ファーゴは、同じくリテールに強いワコビア買収(2008年)をてこに台頭し、米国で「4メガバンク時代が到来した」(野村資本市場研究所の淵田康之氏)と評価されている。    「独自性を失い、のみ込まれるようなM&Aをりそなは受け入れないだろう」(大手行幹部)との見方は根強い。地銀と手を結ぶ再編については、「ウィン-ウィン(相互利益)になるならやっていきたい」(東和浩社長)と話す。    リテールに軸足を置く“第4極”と位置付けられる、りそなHDが動き出したとき、業界勢力図が一気に流動化する可能性がある。(塩原永久)

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