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send 地域特化サイトで採用支援 「脱大企業志向」へ優良中小と学生をマッチング

2014年8月27日 水曜日

bsd1408270500004-p1    対象地域を絞り込み、優良な中小企業と学生をインターネットを通じて結びつける公益社団法人「学術・文化・産業ネットワーク多摩」の就職情報サイトが、スタート1年目から成果を上げている。地域の中小企業は採用意欲があっても学生に魅力を伝えきれず、人材確保に苦労しているのが現状。一方で大半の学生は大企業志向が強く、全国を網羅する大手の就職情報サイトだけを利用しているケースも多く、地域の企業と出合う機会が少ない。大企業とは違う土俵で地域企業と学生を結ぶことに特化したサイトは今後、全国に広がる可能性もありそうだ。    「サイトを有効に活用させてもらい、戦力となる人材を採用できた」。下水道の維持・管理などを手掛けるヤマソウ(横浜市港北区)の大淵裕子取締役は手放しで喜ぶ。    ヤマソウはこれまで中途採用で人材を確保してきたが、事業の継続性を考慮して4月に初めて新卒採用に踏み切ったものの、知名度の低さから当初は苦戦を強いられた。窮地を救ったのが神奈川県地域就職マッチングサイトの「じんナビ」だ。    シートは不要  じんナビは東京・多摩地域の大学・短大、自治体や企業などで組織するネットワーク多摩が、経済産業省と全国中小企業団体中央会から事業を受託して2013年度に開始。企業側は採用情報をサイト上で登録すれば合同企業説明会への参加や自社のPRが可能となり、応募学生とも接触できる。インターンシップや新入社員合同研修などに参加でき、登録費などは初年度は全て無料とした。    じんナビを通じ、ヤマソウには約30人の学生から接触があり、うち2人を採用。このうち東洋英和女学院出身の林未佳さんは「エントリーシートを書く必要がなく、いきなり会社を訪問して面接ができるのもいい」と話す。神奈川工科大出身の稲田一樹さんは、じんナビから合同企業面接会への参加を促され、関心があったメンテナンス業の同社に入社した。大淵氏も「求人は今後、じんナビだけを活用する」と信頼を寄せる。    横浜市から東京都品川区に拠点を7月に移した気象・防災関連事業のクロスイメージングも、じんナビの面接会に参加した学生を採用。東海大出身の高橋克実さんは「大学の就職担当から教えられて参加したが、興味のある仕事が見つかるとは思っていなかった」と振り返る。    集団面接会が威力  集団面接会で、中小企業と学生をつなぐ動きも盛んだ。採用支援事業を展開するジェイック(東京都千代田区)は今年、8月までに面接会を延べ11日間にわたって開催。日本大や武蔵野大、玉川大の来春卒業予定の学生約750人が約150の中小企業の経営者や人事担当者たちと膝詰めでやりとりした。    文部科学省の13年度「学校基本調査」によると、全国の大学卒業生約56万人のうち約11万7000人が内定を在学中に得られなかった。しかし、56万人に対する有効求人倍率は1.28倍で、首都圏では4~5倍に達するなど、数字上では学生側が有利な「売り手市場」だ。    このミスマッチは、大学生が大手のサイトに頼っていることが要因の一つとみられる。人気企業に応募が集中する一方、大企業側は採用する学生の大学を絞り込み、社員1001人以上の企業の70%は対象大学が20校以下という調査データもある。    ■学生の目利き能力向上が不可欠  「学生の多くは50~100社にエントリーして落ち続け、精も根も尽き果てる」と、ネットワーク多摩の中村裕チーフディレクターは指摘する。    ネットワーク多摩は6月、東京都地域就職マッチングサイトの「ねたまナビ」も立ち上げた。2つのサイトには神奈川県と東京都の中堅・中小企業しか登録できないため、両都県で働きたい学生だけが応募することから、ミスマッチは起きにくい。    ただ、大学や学生、企業には十分に浸透しておらず、エリア内の91大学・40万人超の学生のうち、登録しているのは約80大学・1300人強。登録企業などからは「説明会などの活動が遅く、使い勝手も悪い」とサイトの改善を求める声もある。    それでも、じんナビを通じて初年度は42企業が計163人に内定を出した。中村氏は「60年前のホンダ、40年前の京セラが身近にいる。学生は目利き能力を高め、きらりと光り、自分を生かせる中小企業を探し出してほしい」と呼びかけている。(松岡健夫、伊藤俊祐)

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