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send 国内生保、米国で安定収益確保 住友、明治安田 巨額M&A攻勢

2015年8月19日 水曜日

  住友生命保険、明治安田生命保険が巨額の買収資金をつぎ込み、来年に米国進出を果たす。今年2月に米生保の子会社化を完了した第一生命保険に追随する形となった。これまでアジアの新興国の成長を取り込もうとしてきた生保業界が、なぜ今、米国なのか。背景には、安定した成長市場への参入機会を逃したくないという危機感があったようだ。   好業績のうちに   世界のM&A(企業の合併・買収)市場をめぐっては、「日本の保険会社に案件を持ち込め」が合言葉になっている。   日本生命保険も含めた大手4社は、円安下で運用している外国債券の利息収入が大幅に増加するなどして収益規模は過去最高水準にある。   契約者に約束した保険商品の運用利回りを実際の運用利回りが下回る「逆ざや」状態も2015年3月期の住友生命を最後に、4社すべてが解消し、各社が収益基盤の強化に向け海外に着目し始めた。日本の人口が減少する中、10~20年先の国内市場は先細りが懸念され、好業績の今のうちに買収して海外市場を攻めるという経営判断だ。   生保各社には、海外から複数の買収案件が持ち込まれており、重複した案件もあったもようだ。明治安田は、「団体生命保険分野に軸足を置き着実な成長を遂げてきた」(殿岡裕章副社長)という米スタンコープ・ファイナンシャルグループの買収を決めた。住友生命は、幅広い保険商品を扱う米シメトラ・ファイナンシャルの安定的な成長を評価し、買収に踏み切った。   両社が米国の生保を買収するのには理由がある。生保各社は、これまで東南アジアなどの生保に出資してきたが、「今後の高い成長が期待できる半面、収益の大半は再投資が求められるなど、収益貢献には一定期間が必要」(住友生命関係者)な状況だ。   アジアから転換   一方、米国は世界最大市場ながら人口増が続くことや、投資初年度から安定した収益貢献がある。「米国での買収は、今後のグローバルな視点を持つ人材を育てる絶好のチャンス」(明治安田の荒谷雅夫常務執行役員)とも捉える。  

ただ、「買収金額がつり上がった」(証券関係者)のも事実だ。明治安田の買収費用は6246億円、住友生命は4666億円と決して安い金額とはいえず、業界関係者からは「高値づかみではないか」と揶揄(やゆ)する声も上がる。

  特に明治安田は、買収発表直前1カ月の平均株価に5割上乗せした1株当たり115ドルでスタンコープの全株式を取得する。3割台の上乗せが主流の中、証券会社からも「あり得ない(価格)」との声が上がったほどだ。   円安で買収額が膨らんだ面はあるが、今より円高だった2、3年前は各社とも東日本大震災やリーマン・ショックの対応に四苦八苦。逆ざやの解消が優先でM&Aに手が回らなかった。   こうした批判に対し、住友生命のある幹部は「買収金額が高いのか、低いのかは、5年後の会社の状況をみれば分かるはずだ」と力を込めた。  

欧州系大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは明治安田、住友生命について、「信用力がプラスになるとみている」と分析。資本基盤に及ぼす影響も限定的とし、格付けを「A」に据え置いた。

  こうした中、日本生命は、今後10年間でM&Aに最大1兆5000億円を投じる方針を打ち出した。すでに、国内外の保険会社などを対象に買収を検討しており、業界最大手の“次の一手”に関心が集まっている。(飯田耕司)   (第一生命/明治安田/住友生命) 保険料等収入 5兆4327億円/3兆4084億円/2兆5971億円 基礎利益 4720億円/5063億円/4050億円 実質純資産 9兆 275億円/4兆1800億円/5兆1540億円 買収先 プロテクティブ/スタンコープ/シメトラ 買収額 5750億円/6246億円/4666億円 買収完了時期 2014年6月/2015年7月/2015年8月 保険料収入 32億9700万ドル/41億2200万ドル/34億7000万ドル 最終利益 3億8500万ドル/2億1000万ドル/2億5400万ドル ※2015年3月期の決算、買収先は14年12月期

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