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send 名門商社苦戦、資源分野めぐり明暗 伊藤忠初の業界首位ほぼ確定

2016年3月25日 金曜日

  bsd1603250500003-p1   三菱商事は24日、資源・エネルギー価格下落の影響で2016年3月期の連結最終損益予想(国際会計基準)を下方修正し、従来予想の3000億円の黒字から一転して1500億円の最終赤字になる見通しだと発表した。赤字決算は1954年に発足して以来初めて。三井物産も23日に業績予想の下方修正を発表しており、名門2社がそろって赤字転落となる。資源安は長期化が見込まれ、事業戦略の見直しを迫られそうだ。   「減損処理」余儀なく   資源を大量に消費してきた中国の成長が鈍り、エネルギーや金属の国際価格が大幅に下落した影響を受けた。   三菱商事は、事業や資産の評価を見直す「減損処理」で約4300億円の損失を計上する。特にチリの銅やオーストラリアの液化天然ガス(LNG)事業で損失が膨らんだ。昨年11月に今期の最終利益見通しを期初の3600億円から3000億円に下方修正していたが、その後も想定以上の資源安が続き、大幅な減損処理を余儀なくされた。  

24日に記者会見した三菱商事の小林健社長は「懸念材料は全て手当したが、赤字を重く受け止めている」と述べた。経営責任として15年度の全役員の賞与を返上。小林社長は報酬の5割、資源関連の担当役員は3割のカットとなる。株主への配当は50円を維持する。

  資源ビジネスへの依存度が高かった三井物産、三菱商事の2社が赤字転落する一方、繊維や食品、機械など“非資源”に強い伊藤忠商事は今期に過去最高益となる見通しを変えておらず、初の業界首位への浮上がほぼ確定。明暗が分かれた。   資源・エネルギー価格の本格的な回復には「3~5年はかかる」(三井物産の松原圭吾常務)と長期化を覚悟。各社とも戦略見直しが急務となる。   まずは伊藤忠と同様に非資源分野の強化だ。海外インフラ事業に加え、食料、ヘルスケアといった成長分野への投資を強化する。三菱商事の小林社長は会見で「食料資源や消費者により近い事業」に注力する考えを示した。4月1日付で社長に就く垣内威彦常務は、非資源の食品、小売り・流通事業を率いて収益を増やした実績を持つだけに、期待を託してバトンタッチする格好だ。  

一方、各社は資源投資についても、長期的な視点で継続する方針。三菱商事の小林社長は「資源のない日本への供給責任がある」とし、「銅や原料炭などコアの資源は継続保有し、コストダウンに注力する」と強調。三井物産の安永竜夫社長も「投資規律は厳しく見直すが、20~30年のスパンで長期の投資をする」と話した。

価格変動リスク考慮   三井物産は米国でシェールガスの開発に加え、今月、安価なガスを原料にした化学品メタノール生産を開始し、足元のガス価格下落を逆手に増産することも決めた。三菱商事もカナダのガス田で生産したガスを価格が安い時には原料ガスとして北米で販売し、高い時には米国のLNG基地から輸出する態勢を構築する。いずれも価格変動リスクに備え、供給先確保まで考慮する作戦だ。   資源安で損失計上や権益売却が相次ぐが、安いということは「新たな権益確保の最大のチャンス」(三井物産の安永社長)でもある。三井物産は昨秋に豪州の豪州南東部のキッパーガス田の権益を取得。三井物産と三菱商事は昨年10月、共同で西豪州沖で操業中のLNGプロジェクト「ノースウェストシェルフ」の未開発鉱区の投資を決めており、資源ビジネスの再構築を目指す。(上原すみ子)

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