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send 双眼鏡市場救うアイドル好き 防振機能付き コンサート必携で人気

2019年10月25日 金曜日

キヤノンが発売する新型の手振れ補正機能付き双眼鏡について説明する家塚賢吾課長(右)

カメラメーカー各社が開発競争にしのぎを削る手振れ防止(防振)機能付き双眼鏡をめぐり、市場を創出する“助っ人”が現れた。アイドルを追いかける熱心なファンが、会員制交流サイト(SNS)で防振機能の情報を発信するほか、行楽シーズンに入って野鳥観察や紅葉狩りを楽しむ女性らからは「操作しやすい」と評価を得ている。 「キヤノンからめちゃくちゃ軽い8倍と10倍の防振!」 9月19日午後、キヤノンが防振機能付き双眼鏡「BINOCULARS(ビノキュラーズ)」シリーズの新製品で、倍率8倍の「8×20IS」、10倍の「10×20IS」をそれぞれ11月上旬に発売すると発表すると、ツイッターへの書き込みが相次いだ。目立つのは“ジャニヲタ”とも呼ばれる、ジャニーズ事務所所属のアイドルを追いかける熱心なファンからの書き込みだった。 防振機能付きの双眼鏡は、こうした熱心なファンにとって必須のアイテムだ。東京ドームや横浜アリーナといった巨大な会場ともなると、スタンドの観客席からステージまでの距離が100メートル以上。高倍率の双眼鏡を使うことも多くなるが、倍率が10倍を超えると手振れが気になるといい、防振機能が欠かせない。 ただ、これまでは防振機能付きの双眼鏡は大型で重く、価格も10万円以上と高額だった。この市場に小型・軽量で価格も数万円の製品をいち早く投入したのがキヤノンだ。 1997年9月に発売された倍率10倍の「10×30IS」の重量は600グラムで、希望小売価格も6万5000円に抑えた。その後も、小型・軽量タイプを順次、発売している。 今回、新製品の開発を担当したイメージコミュニケーション事業本部ICB光学事業部の家塚賢吾課長は「数年前からコンサートで使われているという話が出ていた。ここに来てSNSで評判が一気に拡散した」と驚きの声を上げる。 こうしたジャニーズファン需要にも支えられ、キヤノンの小型・軽量タイプの防振機能付き双眼鏡は「2013年と比べて国内市場で2~4倍くらい売れている」(家塚氏)。スマートフォンの普及でデジタルカメラの需要が冷え込んでいる光学機器市場において、双眼鏡は右肩上がりの珍しい分野となっている。 キヤノンが、ジャニーズファンらの支持を確固たるものにしようと開発したのが、新製品の2機種だ。「8×20IS」は、防振機能付き双眼鏡で世界最軽量の420グラムを実現した。「10×20IS」の重量もほぼ同じ430グラム。応援の特製うちわやペンライトを片手に持ちながら、双眼鏡をのぞくことも可能だ。 ◆ボディー形状を工夫 希望小売価格はそれぞれ6万5000円、7万4000円(いずれも税別)と10万円を切った。防振機能のない双眼鏡に比べれば高価だが、新製品を試したジャニーズファンからはSNS上で「一度使ったらやめられない」との声が上がる。ICB光学事業部の篠原玲子さんは「女性は双眼鏡の真横の部分を持つことが多いので、指が引っかかりやすいようボディーの形状も工夫した」と話す。 軽量、しかも10万円を切る価格帯商品への参入は、各社の主戦場となっている。 ケンコー・トキナーの「VCスマート 14×30」は、高倍率だと気になりがちな手振れを軽減した。薄型、軽量のコンパクトな設計で、手の小さな女性でも操作しやすい。実勢価格は6万5000円前後。 富士フイルムは11月29日、初めて小型・軽量タイプの「TS12×28」(倍率12倍、税別7万円前後)、「TS16×28」(倍率16倍、税別8万円前後)の2機種を発売する。   過熱する新しい双眼鏡市場を勝ち抜くには、熱心な女性ユーザーのお気に入りになれるかが鍵を握る。(桑原雄尚)

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