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原油安…3度目の黒田バズーカ撃つ? 局面打開の必要性高まる
2016年1月15日 金曜日

この日、日銀が公表した2015年の国内企業物価指数(10年=100、速報)は、原油安の影響を受けて、消費税増税の影響を除く指数が前年と比べ2.9%下落の99.9となり、3年ぶりのマイナスに沈んだ。同時に公表した15年12月の国内企業物価指数も前年同月比で3.4%下落の101.1となり、9カ月連続のマイナス。
日銀はこれまで物価見通しの前提となる原油価格が1バレル=50ドルを起点に上昇すると予想していたが、現実は大きく異なる。既に国際指標のニューヨーク原油先物相場は一時1バレル=30ドルの大台を割り、同日の東京商品取引所で、中東産原油の先物価格は一時1キロリットル当たり前日清算値(株価終値に相当)比1400円安の2万1770円をつけ、04年7月以来、約11年半ぶりの安値水準となった。株価終値に相当する清算値は前日比1140円安の2万2030円。原油や資源安による企業物価の下落が続けば、国民や企業の将来物価が上がるとの見方が弱まり、デフレ脱却が遅れる恐れがある。外国為替市場での円高基調も「今後、物価の下押し圧力となる可能性がある」(日銀)ため、日銀も16年度の物価上昇率の見通しは引き下げる構えだ。
日銀は28、29日に開く金融政策決定会合で、物価と経済成長率の見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめる。昨年10月時点の見通しでは、生鮮食品を除く消費者物価の上昇率に関し、15年度は0.1%、16年度は1.4%と予測したが、市場では1.4%の予測を1.0%程度に下方修正するとの見方が出ている。 仮に修正幅が大きくなれば、2%の物価上昇目標の達成時期も「16年度後半ごろ」から、先送りする必要も出てくる。日銀が達成時期を延期すれば3回目で、黒田総裁が繰り返し口にしてきた「必要とあらば」の、まさにそのときといえる。
市場の局面を大きく変えた就任直後、昨年10月の2回の大規模緩和の再現に黒田総裁は動くのか。 明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは「企業業績を支えてきた円安の流れが反転しつつある。円高に歯止めをかけるためにも日銀は早めに動く必要がある」と指摘している。