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send 北海道電“厳冬”越え正念場 再値上げ了承も、尽きぬ需給不安

2014年10月15日 水曜日

bsd1410150500001-p1    北海道電力が例年にない厳しい冬を迎えようとしている。泊原発の長期停止で火力燃料費が膨らみ、昨年9月に続く電気料金の抜本値上げに向けた準備が進む重要局面で社長が交代。頼みの再値上げ幅は政府が14日、家庭向け平均15.33%に圧縮して了承したが、電力需給の面で火力発電所のトラブルリスクは消えず、油断できない状況だ。大規模停電が起きれば、道経済への打撃は必至で、道民の生命の危機にもつながりかねない。課せられた使命は重い。   重要局面で社長交代    「料金の再値上げが決まらない中、退くのは申し訳ない」    9月25日、札幌市の北海道電本店。取締役会に出席した川合克彦社長(当時)は無念そうな表情で語った。8月下旬から体調を崩し通院や自宅療養を続けていたが、担当医から「回復に相当時間がかかる」と指摘され相談役に退いた。後任には副社長の真弓明彦氏が昇格した。    川合社長2年目の昨年9月、北海道電は電気料金の抜本値上げ(家庭向け平均7.73%)を実施した。しかし泊原発の再稼働ができず、1年もたたない今年7月末、再値上げ(同17.03%)を経済産業省に申請。企業向けも平均22.61%引き上げる意向を示した。    経産省は火力燃料となる石油や石炭の仕入れ単価について、電力各社の中で最も安い価格を採用することなどで燃料費を削減するよう北海道電に求めた。その結果、家庭向けの再値上げ幅は15.33%に引き下げられたが、圧縮幅はわずか1.7%にとどまる。    北海道電は11月に再値上げを実施するが、来年3月末までは値上げ幅を2.9%削減して家計の負担を和らげたい考え。しかし、それでも標準家庭の料金は8000円規模となり、東日本大震災前と比べ3割も増える。   大規模停電リスク    「原発再稼働か、料金値上げかの二者択一を迫っており、半公益的企業としての経営責任が落ちている」    社長交代から約1週間後の10月1日。今冬の電力需給について有識者が対策を議論する経産省の「需給検証小委員会」の初会合で、北海道機械工業会の田中義克会長は、議題ではない料金値上げについて、北海道電の担当者を厳しい口調で責めた。    北海道電は今冬、水力発電の京極1号機(20万キロワット)の運用開始などで620万キロワットの供給力を確保。最低でも3%は必要とされる予備率(最大需要に対する供給余力)は、需要がピークを迎える来年2月に、昨冬の7.2%を上回る11.4%に改善するとアピールした。    しかし火力の苫東厚真4号機(70万キロワット)が1基停止すれば、最大需要をカバーできず、最悪の場合は大規模停電につながる。担当者は「料金再値上げを申請する中、節電をお願いするのは申し訳ない」と謝罪した。電力会社の経営努力に対して辛口で知られる松村敏弘委員(東大教授)も「満足していただける査定額にならなかった」と頭を下げた。    度重なる料金値上げと節電への理解を得るため、北海道電は冬季賞与(昨冬は平均44万4000円)の見送りを労働組合に提案している。    再値上げの動きは、他の電力会社に広がる可能性がある。東京電力は、7月以降の再稼働を想定していた柏崎刈羽原発(新潟県)が止まったままだ。このため、コスト削減策について検討し、年末までに再値上げを実施するかどうかを判断する。    電気料金上昇という「寒波」が冬の日本列島を覆う事態への不安は尽きない。(宇野貴文)

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