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send 先端技術ベンチャーは“宝の山” ロボ、バイオなどの投融資相次ぐ

2015年6月5日 金曜日

  bsl1506050500001-p1     bsl1506050500001-p2     金融機関の間で、医療関連など次世代先端技術の開発に携わる大学や研究機関、ベンチャー企業を支援する動きが相次いでいる。野村証券は企業、大学、地域金融機関の本格的なビジネスマッチング活動に着手。SMBC日興証券はベンチャーキャピタルファンドを立ち上げ、三菱東京UFJ銀行と日本政策金融公庫は提携し協調融資を始める。ロボットやバイオなど先端技術で市場開拓に挑むベンチャーは、事業が軌道に乗るまで時間がかかりリスクも大きいため、支援者はIT関連に注目しがちだ。こうした中、金融機関の雄が相次いで支援に名乗りを上げたことから、先端技術型ベンチャーが投融資先の主役に躍り出る可能性も出てきた。   bsl1506050500001-p3   脳波で感性数値化   人間の脳波を解析して感性を数値化-。長岡技術科学大工学部の中川匡弘教授が研究を進める技術で、爽快感を高めたシャンプーや打球感が気持ちいいテニスラケットなどが開発されている。   続いて大学の教授・研究員らが登壇し、自ら取り組む最先端技術を紹介。「どういった領域の商品開発に結びつくのか」といった点をアピールした。野村証券が5月28日に開催した「野村オープンイノベーションセミナー」の一こまだ。  

同社を傘下に置く野村ホールディングスは、科学技術振興機構が進める「大学発新産業創出プログラム」に参加している。大学発ベンチャーの起業前段階から政府資金と民間企業の事業化ノウハウを組み合わせ、新技術の事業化を後押しする取り組みで、原則として3年以内でのベンチャー立ち上げを目指す。野村が支援するのは5つのプロジェクトだ。

  この日、セミナー会場に集まったのは約100人。先端技術の導入に意欲的な企業や地域金融機関などの関係者だ。野村が目指すのは産学官に金融を加えた連携。地域密着の金融機関が構築したネットワークを活用すれば、事業化への道筋がより明確になるとの判断に基づく。   登壇者はこれまでの実績を踏まえ今後の事業計画を発表、参加者も熱心に耳を傾けた。野村証券の小澤育夫・公共公益法人課主任研究員は「マッチングが進み、結果として地域経済の活性化に発展することを期待したい」と語る。  

大学発に再び注目

  2005年をピークに大学発ベンチャーの設立数は減少に転じた。しかし、ここにきて再び注目度が高まっている。東大発でミドリムシを使った栄養食を開発するユーグレナや、筑波大発でロボットスーツを製品化したサイバーダインといった先端技術型ベンチャーが新興市場に上場し、投資家から高い評価を得ているからだ。   両社の上場支援に携わったSMBC日興証券は4月、「次世代日本先端技術育成ファンド」を設立した。ベンチャー投資の比重はIT系に偏りすぎており先端技術型への支援は少ない。   こうした現状を踏まえ「技術立国である日本の存在価値を際立たせたい」(折田中・ホールセール企画部第二業務課長)という理由で立ち上げた。出資者は日本たばこ産業や三井不動産、ロート製薬、吉野家ホールディングスなど多彩。資金だけではなく、経営ノウハウや施設・設備の提供、人材の支援を行う。  

メンバーにはユーグレナも名を連ねる。同社の出雲充社長は起業後、伊藤忠商事での扱いが決まるまで営業に行った500社全てに断られた経験を持つ。どん底の状態からいかに上昇したのか-。その経験値に対するベンチャーの期待度は大きい。

  技術立国 新たな担い手育成   三菱東京UFJ銀行と日本政策金融公庫は5月、ベンチャー支援で提携した。注力するのはロボットやバイオなどで、黒字化に時間を要するため融資が難しかった分野だ。連携を進めながら、資金ニーズを取り込んでいく。   日本政策金融公庫は、高い成長性が見込まれる新事業に取り組む中小・ベンチャーを支援するため「新事業育成資金」制度を導入。景気の持ち直しを背景に伸びは顕著で、14年度の融資金額は前年度比34%増の478億円となった。それだけ先端技術に携わるベンチャーの動きも活発といえる。   安倍晋三首相は4月30日、現職の首相として初めて起業の聖地である米カリフォルニア州シリコンバレーを訪れ、「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」を打ち出した。  

今後5年間で日本の中小・ベンチャー200社を選びシリコンバレーに送り込み、現地の投資家や専門家が販路開拓などを支援する内容で、世界で通用する企業を創出し日本経済の新たな担い手を育てるのが狙いだ。

  主な対象はロボットやバイオ・医療分野。技術立国に対する期待度が垣間見られる選択肢だといえよう。   国の力強い後押しもあるだけに、金融機関を中心に先端技術にかかわる大学やベンチャーを支援する動きは一段と活発化しそうだ。(伊藤俊祐)      

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