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働く外国人 優秀人材確保で100万人突破 「移民つながる」と難色も
2017年2月6日 月曜日
国内で働く外国人が100万人を突破した。人手不足が深刻化する中で優秀な人材を確保しようと、地方の企業や中小企業が採用を積極的に増やしていることも理由の一つだ。政府は外国人労働者の受け入れ拡大の検討に入っているが、日本人の雇用などへの影響は不透明。明確な将来像は描けないまま、働く現場では手探りが続いている。
学生優位で注目
本店営業部の仲守珍さん(29)も外国為替に従事。敬語の使い方に苦労しているが、将来はM&A(企業の合併・買収)で「中国と日本の企業の橋渡しを担いたい」と意気込む。人事担当者は「2人には日本での生活をゼロから開拓してきた力で、多方面での活躍を期待している」と話した。
金属加工会社で旋盤のオペレーションに当たるベトナム人のチャン・ホン・キエンさん=1月24日、東京都青梅市の吉本製作所
ベトナム人のチャン・ホン・キエンさん(28)は東京都青梅市の金属加工会社、吉本製作所で働く。同国トップ級の大学で機械工学を学び、昨年3月に入社。「日本の高い技術力に魅力を感じていた」と語る。日本人の先輩技術者の指導を受けながら旋盤のオペレーション業務に当たる。吉本製作所の従業員は25人。吉本誠社長は「うちの規模で理工系の日本人学生を採るのは難しく、最近は特に厳しい」と話す。学生優位の売り手市場が続く採用戦線で大手に太刀打ちできない面もある。数年前から取引を始めたベトナムに通ううち、勤勉で優秀な学生が多いことに気づき、同国で求人をかけたところ20人が応募。キエンさんを含め2人を採用した。 周辺では、技能実習制度を利用して外国人を受け入れている会社もあるが、3年の期限切れで、せっかく仕事に慣れたところで帰国してしまうケースも多いと聞く。吉本社長は「ベトナム人2人は正規採用で給料も日本人と同じ。定年まで働いてもらって構わない」と強調。キエンさんも「できればこのまま日本で生活したい」と希望する。「移民つながる」難色
就職情報会社ディスコの調査によると、全国約630社中、2016年度に外国人留学生を採用した企業(予定含む)は38.1%で、17年度の採用見込みは59.8%と半数を超える。海外の大学を卒業した外国人採用も16年度の18.9%から17年度は32.0%に増加。ディスコは「国内で知名度のない中小企業が海外での大卒人材獲得に動いている」と分析する。 政府は「働き方改革実現会議」のテーマに「外国人材の受け入れ問題」を設定した。人口減少を踏まえ、高度で専門的な分野に限ってきた外国人労働者の正規就労の範囲を、担い手の高齢化が顕著な農業や人手不足の建設業などに広げることができるか議論する。 ただ、与党内には「移民問題につながりかねない」として難色を示す意見も多い。労働側を代表する連合も外国人労働者の権利保護を訴える一方、国内雇用への影響を懸念し、安易な受け入れ拡大には反対で、結論が先送りされる可能性もある。