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send 働き方変える新形態オフィス シェア・サテライト…不動産各社、起業家も吸引

2018年1月17日 水曜日

三井不動産のWORKSTYLINGはスタッフが常駐、法人向けならではのきめ細かなサービスを提供する=東京都千代田区   不動産各社が、東京都心部で新形態のオフィス事業に注力している。東京建物や三井不動産は、東京駅に隣接する八重洲エリアなどでシェアオフィスを展開。東急不動産は会員制のサテライトオフィスに注力するほか、新日鉄興和不動産(東京都港区)は中規模型の高級オフィスビル事業に参入した。背景には、大企業とベンチャーとの連携や、時間・場所に制約されない「テレワーク」の拡大などがある。各社は多様なオフィス空間を提案し、企業のニーズに対応する。 相乗効果を期待 東京建物は、新宿センタービル(地上54階建て)の49階部分に会員制シェアオフィス「+OURS(プラスアワーズ)」を開設した。最大16人用の家具付きオフィスや、自由な席に座って仕事をする「フリーアドレス制」のオープンラウンジを用意したほか、富士山や都心部の夜景を楽しむことができる。 同社は17年にシェアオフィス事業に参入し、第1号店を八重洲にオープンした。東京駅周辺には、多くの重厚長大型企業が本社を構えている。ベンチャーと手を携えながら技術革新を加速させる動きが予測され、「集まってくる起業家の受け皿を整備しておくことが必要だ」(ビル事業企画グループの谷口誠氏)と考えた。 新宿にも大企業の本社が多く、LINEに代表されるように著名なベンチャーも少なくない。同社は今後、起業家を呼び込むためにセミナーやイベントを順次実施し、新宿センタービルを拠点に大企業とベンチャーによる相乗効果を生み出す構想だ。 東急不動産は「ビジネスエアポート」というブランドでサテライトオフィスを運営しており、六本木に都内5カ所目となる店舗を開業した。個室をはじめ、商談や個人での仕事が可能なラウンジエリアやミーティングスペースを用意。六本木エリアでは、IT関連企業や外資系金融機関、大使館などが集積しているため、海外企業の日本進出の足掛かりや出張時に仕事を行うためのスペース確保といった需要を見込む。 200人が使える 三井不動産は、法人向けの多拠点型シェアオフィス「WORKSTYLING(ワークスタイリング)」の旗艦店として、八重洲店をリニューアル。約200人の利用が可能で、シャワールームや3面プロジェクター会議室、30人を収容できるカンファレンスルームなどを用意した。 ワークスタイリングのオフィスは、契約法人の社員、または承認を受けた個人だけが利用できる。契約法人の数は旭硝子や凸版印刷、NTTコミュニケーションズなど30社を超えた。今春までに拠点数を30まで拡大する計画だ。 ■テレワーク普及、市場を押し上げ 新日鉄興和不動産が展開する「BIZCORE(ビズコア)」シリーズの第1弾は千代田区の神保町だ。日本有数のオフィス街である大手町から地下鉄でわずか1駅。「大規模オフィスと変わらない設備を導入」(ビル事業本部の奈良敦都市再生部長)しながら、大手町や丸の内のビルと比べて3.3平方メートル当たりの賃料を1万~2万円ほど低く設定した。 ビズコアのコンセプトは、BCP(事業継続計画)を重視する企業の関心を集め、近隣エリアに本社を置く大企業のグループ会社などがテナントとして入る。同社は今後、赤坂や渋谷でも開発する計画。渋谷ではベンチャーの入居を意識して小型ビルにするなど、地域特性に応じた事業を展開し、2020年度までに500億円規模の事業への拡大を目指す。 2000年代に入ってテレワークが注目され始めた頃は、オフィス市場への影響は少なかった。しかし、働き方改革の推進に伴い、「今後はテレワークが普及し、シェアオフィス事業も拡大する」(大手不動産会社)という見方が強い。 一方、中規模タイプの高級オフィスビル市場も拡大する余地は大きい。同等規模のビルは老朽化が進んでおり、改修需要が期待されているからだ。また昨年、大企業の子会社による不祥事が相次いだことを受け、グループ間の連携を強化するため、本社近くに子会社の本社機能を移転させる動きが顕在化するという。 不動産各社は企業、労働者双方のニーズに応え、生産性の向上につながるオフィス事業に取り組む構えだ。(伊藤俊祐)

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