就活お役立ちビジネスニュース

send 住宅10社、中古物件流通促進へ連携強化 年1万棟成約目指し組織刷新

2015年9月7日 月曜日

  bsc1509070500004-p1   積水ハウス、大和ハウス工業など住宅大手10社は、全国に計353万棟抱える戸建て住宅のストックをベースに、中古住宅の流通促進に向けた取り組みを加速する。10社とその傘下の不動産会社で組織する優良ストック住宅推進協議会(会長=和田勇積水ハウス会長兼CEO)が組織運営体制を一新し、各社の連携を強化したことを機に物件の仲介・成約数を拡大し、今後3年程度で年1万棟の成約を目指す。   建物価格を明確に   同協議会は良質な中古住宅の流通促進を目的に2008年7月に発足し、共通ブランド「スムストック」の中古住宅の普及に取り組んでいる。建物を躯体(くたい)50年、内装15年の償却期間(流通耐用年数)で評価する査定制度と、認定資格を持った住宅販売士が建物の査定から販売までを担当する独自のモデルを確立し、企業の垣根を越えて同ブランドの中古住宅の流通促進に取り組んできた。   新年度入りした今年7月、加盟社持ち回りだった事務局を独立した専従の事務局として立ち上げるなど、組織運営体制を刷新したのを新たなステップとし、同ブランドの中古住宅の流通促進に一段と弾みをつける方針だ。  

日本の住宅市場は新築の比率が高く、流通量全体に占める中古の比率は14.7%(13年時点)にすぎず、70~90%の欧米諸国に比べて極めて低い。経済効果が高い新築を促す住宅政策が、「新築偏重」を招いた面もある。

  一方、不動産仲介の商慣習も中古住宅の流通を阻害してきた。中古住宅の資産価値を査定する基準が明確でなく、一般的に築20年超の住宅は、劣化の程度にかかわらず資産価値がゼロと査定されてきた。   また、売買の際は建物と土地の価格を一括(くく)りにする「総額表示」が慣習となっており、築20年超の建物の場合、土地だけの価格で取引されるケースがほとんどだ。   これに対し、同ブランドの中古住宅は建物と土地の価格をそれぞれ分離表示し、建物部分の価格も明確にした点が特徴で、築20年超の建物でも適正な資産価値での取引を可能とした。実際、同ブランドでこれまで成約した2502棟を民間不動産調査機関の東京カンテイが調査した結果、築20年超の建物の平均価格は517万円だった。  

優良物件の新モデル

  現在、10社が供給した戸建てストック約353万棟のうち、約0.4%に当たる約1万4000棟が毎年、中古物件として流通しているとみられる。そのうち、スムストックのブランドで仲介され、成約したのは14年度(14年7月~15年6月)に1297棟と全体の9.3%にとどまっている。これは「スムストックの認知度がまだまだ低い」(和田会長)ためで、目標に据える3年後に年1万棟の成約を達成するには認知度向上が今後の課題となる。   このため、今回の優良ストック住宅推進協議会の組織刷新で、運営に各社の不動産会社を加えるなどして流通部門との連携を緊密化。物件をデータベース化して広く購入希望者とのマッチングを図り、成約数の拡大につなげる考えだ。   同ブランドの成約数は過去7年間で累計3741棟、14年度は前年度を70%上回り、右肩上がりで増えている。また、資格を持った「スムストック住宅販売士」は同年度末時点で3023人を数える。  

加盟各社としては、同ブランドの中古住宅の普及・促進を図ることでリフォーム事業や不動産仲介事業の拡大につなげ、新築事業でも築20年超でも資産価値の高い長期優良住宅の販売に結びつけることにより「新しいビジネスモデルを作り上げる」(和田会長)狙いがある。

  急増する空き家が社会問題化する中、中古住宅の流通促進は喫緊の課題となっており、政府・自民党も政策面で後押しする方向にある。全国の戸建て住宅ストックの1割超を抱える住宅大手10社が本格的に取り組み出すことで、日本の住宅市場に「フローからストック」への流れが加速する可能性もある。(鈴木伸男)

フジサンケイビジネスアイ

就職コンサルナビ

イノベーションズアイ