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send 企業の研究、日本技術を下支え ノーベル化学賞は「余裕があった時代の産物」

2019年10月11日 金曜日

ノーベル化学賞の受賞決定から一夜明け、旭化成本社で花束を手にする吉野彰名誉フェロー(手前)=10日午前、東京都千代田区

2019年のノーベル化学賞に、リチウムイオン電池を開発した吉野彰・旭化成名誉フェローの受賞が決まった。日本の企業人は、島津製作所の田中耕一氏や、青色発光ダイオード(LED)を開発した中村修二氏もそれぞれノーベル化学、物理学賞を獲得しており、改めて高い実力を示した。企業の研究も日本の科学技術力を支えている。   社会ニーズが後押し リチウムイオン電池は、充電して繰り返し使うことができる。1995年の「ウィンドウズ95」登場に始まるIT革命の波に乗り、小型で大容量の電池という社会的ニーズに後押しされる形で普及した。 「ノーベル化学賞は(電池などの)デバイスの開発者にはなかなか順番が回ってこないが、回ってきたら必ずもらいますよ」。吉野氏は周囲にそう漏らしていたという。自らの発明に対しては絶対の自信を持っていた。 企業で開発に携わる苦しみも大いに味わった。 良い物を出せば必ず売れるわけでもない。リチウムイオン電池が売れたのもIT革命があったからこそだ。吉野氏は受賞決定後の会見で「発売後の3年は全く売れず精神的に追い詰められた。開発費もかさんでいたし、真綿で首を絞められるような感じだった」と吐露した。 その企業の研究費も諸外国と比べるとさえない。2000年を1とした場合の指標で比べると、17年の日本が1.3(名目額)であるのに対し、米国や英国は2.0といずれも日本を上回る。さらに韓国は6.1。中国は25.4であり、大きく水をあけられている。 文部科学省科学技術・学術政策研究所によると、17年の日本における研究費の総額は19.1兆円。そのうち企業研究費が13.8兆円と全体の約7割を占める。だがそれもリーマン・ショックの影響で大幅に減少、伸び悩みが続いている。 研究者のキャリア問題に詳しい一般社団法人「科学・政策と社会研究室」の榎木英介代表は、吉野氏の成果について「1980年代から90年代の、日本企業にも余裕があった時代の産物だ」と分析する。

フジサンケイビジネスアイ

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