就活お役立ちビジネスニュース

send 仮想通貨、革新技術の危うさ 「どうしたら返金される?」…消費者トラブル急増

2018年1月26日 金曜日

ビットコインの値動きを表示する電子ボード=韓国・ソウル(AP)   インターネット上で取引される仮想通貨が注目される中、取引上のトラブルも急増している。ビットコインをはじめとする仮想通貨をめぐり、2017年に全国各地の消費生活センターに寄せられた相談件数が合計で2000件を超え、前年に比べて約3.4倍と急増したことが分かった。17年は「仮想通貨元年」とも呼ばれ認知度は飛躍的に高まっているが、各地の消費生活センターに寄せられた相談からは消費者が置き去りにされたまま市場が急速に膨張している危うさも改めて浮かび上がった。   17年相談数3倍超 「仮想通貨の購入を解約し現金を返してほしいが、どうしたらいいか分からない」と消費生活センターに相談したのは関東地方に住む30代の女性。友人に誘われファミリーレストランに出かけると、友人の友達に引き合わされた。 「仮想通貨をつくって売り出す。流通し始めたら、お金を置いておくだけでもうかる」と持ち掛けられ、16万円を手渡した。しかし仮想通貨が売り出されることはなく、その人物からは「ビジネスは辞めた」と突き放され、返金にも応じてもらえないという。 国民生活センターによると仮想通貨に関する相談は15年が452件、16年が616件と緩やかな増加傾向にあったが、17年は取引人口が拡大したことや、仮想通貨の価格が乱高下して損失を被った人が増えたことなどを背景に2071件と急増している。

17年初めに10万円前後だったビットコインの価格は、17年12月に一時230万円を突破。現在は最高値の半値近くとなる120万円前後まで下落するなど依然として激しい値動きが続いており、各地の消費生活センターにはトラブルの相談が増えている。

業界団体「日本仮想通貨事業者協会」の幹部は「リスクを理解しないまま取引を始める人が多い面はあるが、協会としても説明責任を果たし、注意喚起を続ける必要がある」と語る。   政府は期待感 仮想通貨をめぐっては、昨年4月に施行された改正資金決済法で決済手段として認められ、現金と交換する取引所に登録制が導入されるなど、流通環境が急ピッチで整備され、急速に「地位」が高まりつつある。 金融界でも、三菱UFJフィナンシャル・グループが独自に仮想通貨の研究を進めるなど、各社取り組みを積極化させている。現金管理にかかる莫大(ばくだい)なコストを削減したい思惑がある。 しかし肝心の消費者保護のための規制整備は進んでいない。政府の腰が重い背景には、仮想通貨の原理に組み込まれた技術の発展性への期待があるとみられ、金融庁幹部は「今の段階で規制を強化するのが良いと思わない」と静観の構えだ。 同庁の対応は当面、仮想通貨取引所に対する監督を通じ、業界団体などによる自主ルール作りを促すところにとどまるとみられる。

仮想通貨をめぐるトラブル多発に経済ジャーナリストの荻原博子氏は、仮想通貨はまだ未整備な部分が多い市場であると強調。「手を出すなら、投資のリスクや仕組みを知った上で、投じたお金がゼロになってもいいという覚悟が必要だ」と注意を呼び掛けている。

  【用語解説】ビットコイン インターネット上で取引される仮想通貨の代表格で、2009年に初めて発行された。財産的な価値を持つ電子データで紙幣や硬貨といった実体を持たない。日本円などの通貨と違い、国や中央銀行のような公的な管理者がいないのが特徴で、複数のコンピューターで取引を監視する「ブロックチェーン」という仕組みで管理している。海外送金の手数料が安い利点がある半面、投資マネーの流入で最近は激しい値動きが続いている。

フジサンケイビジネスアイ

就職コンサルナビ

イノベーションズアイ