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send 中国企業が「アビガン模造薬」生産か 富士フイルム、特許侵害なら提訴の構え

2015年1月14日 水曜日

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富士フイルムホールディングスが2008年に買収した富山化学工業。同社のインフルエンザ治療薬が、エボラ出血熱への効果を期待されている
  エボラ出血熱の治療薬として期待されている富士フイルムホールディングス(HD)グループの「アビガン(一般名・ファビピラビル)」の模造薬を、中国企業が生産しているとして、富士フイルム側が中国企業に調査を求めている。同社は2004年から13年にかけて中国でアビガンの関連特許を取得済みで、公開された特許情報を見て製造された疑いがあるという。特許侵害ならば提訴を辞さない構えをみせているが、中国では研究開発段階の医薬品に関し特許侵害に当たらないとする判決事例も多く、問題が深刻化する可能性もはらんでいる。   cpd1501132313008-p2cpd1501132313008-p3     「同じ成分」で疑惑 中国では、偽ブランド品などによる知的財産権の侵害が相次いでいるが、発売前の先端医療品にまで被害が広がっている可能性が出てきた。 アビガンの模造薬とみられているのは、中国大手製薬会社「四環医薬」が保有する「JK-05」と呼ばれる薬品。世界保健機関(WHO)の担当者がアビガンと「成分が同じだ」と指摘している。   中国メディアの報道によると、四環医薬は中国の軍事医学科学院微生物流行病研究所が5年前から開発していた「JK-05」の技術を1000万元(約1億9000万円)で取得した。この薬品は、中国人民解放軍による「軍隊特需薬品許可」も取得しているという。ただ、臨床試験は十分に行われておらず、中国国内での薬品登録も行われていないため、エジプトに派遣される中国の軍人などに提供されるにとどまり、当面中国国内での販売は行われないもようだ。 ここで問題となるのが、「軍隊特需薬品許可」を取得しているという点だ。仮に「JK-05」が特許侵害をしていたとしても、四環医薬が「軍隊特需薬品許可」ゆえに「公的」であることを理由に挙げ、侵害が認められない可能性が出てくるという。 富士フイルム側は、現時点で該当する薬の入手ができておらず、引き続き自社でも調査を行うとしている。仮に特許を侵害する模造薬と判明した場合は警告を行い、これに従わない場合、提訴に踏み切る方針だが、先行きは不透明だ。   これまでも、中国では医薬品の特許問題をめぐる裁判が頻繁に行われている。中国の医薬品特許問題に詳しい黒田法律事務所所長の黒田健二弁護士は、敗訴と勝訴の事例を2点挙げる。 06年には、日本の大手製薬会社の高血圧薬に関する中国特許が中国製薬会社によって侵害されているとし、訴えた案件があった。このケースでは、中国メーカーの製造行為は薬品の安全性と有効性を検証するための行為とされ、直接販売を目的としていないことを理由に、特許法に定める『生産経営目的』のための特許の実施行為には該当しないとして、特許権侵害が認められなかった。 一方、08年に欧州の大手製薬会社が抗がん剤の特許権侵害で中国製薬会社を訴えた事例では、中国メーカー側が「実験室で生産した」と主張したものの、ウェブ上で名称や包装、価格などの詳細を記載していたことなどから、『生産経営目的』を肯定する材料になったとみられ、中国メーカー側が敗訴している。   こうした過去の大手製薬会社の訴訟事例に照らすと、仮にアビガンで特許侵害の訴訟を起こした場合も、必ず勝訴できるかどうかは予断を許さない。 中国では、特許侵害はもとより、模造薬や偽薬の出荷も広がっている。 英BBCが昨年10月に報じたところでは、スイスのチューリヒ空港で、米大手製薬会社、ファイザーの精神安定剤「ソラナックス」の偽薬が合わせて100万錠押収されるという事件があった。 出荷元は中国。スイス当局によれば、この薬にソラナックス同様の有効成分は検出されなかったが、見た目では判断できないほど精巧にまねていたという。 また、中国での報道によると昨年4月には、フランス税関が中国製の偽造医薬品240万錠を押収するという事例も出ている。   追いつかない対策 中国政府も取り締まりを強化し、ネット上の“闇”薬局を閉鎖するなどの措置をとっているが、対策が追いついていないのが現状だ。 富士フイルムHDは、ギニアで始まったアビガンのエボラ出血熱への効果検証を経て、順次増産することを決めているが、ここにきて浮上した中国の模造薬疑惑がどのように影響してくるのか。知財意識が低いとされる中国を相手に、日本側の動きも今後注目されそうだ。

フジサンケイビジネスアイ

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