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send 丑の日、ウナギ離れに歯止め? 稚魚高騰も安価で調達済み、店頭価格は値ごろに

2015年6月12日 金曜日

bsd1506120500002-p1 (1)     7月24日と8月5日の「土用の丑(うし)の日」を前に、ウナギの価格が上昇している。今漁期(昨年11月~今年10月)の稚魚が不漁だった影響を受けた。ただ、大手スーパーは前年の安価なウナギをすでに調達済みといい、お値打ち価格のかば焼きが店頭に並びそうだ。消費者のうなぎ離れが指摘される中、「夏のスタミナ食」として再び地位を挽回できるか注目される。   稚魚、不漁で高騰   水産庁がまとめた今漁期に養殖池に入ったニホンウナギ稚魚の仕込み量は18.2トン(4月末時点)。資源保護のために自主的に設けた上限(21.6トン)の約84%にとどまった。ウナギの生態は謎が多く、詳しいことは分からないが、海流の影響もあって2、3月に稚魚があまり取れなかったことが理由のようだ。   稚魚の不漁の影響で、取引価格は急上昇している。豊漁だった前漁期の平均価格は、1キロ当たり92万円で、3年ぶりに100万円を下回った。しかし、今漁期は150万~200万円に跳ね上がり、平均価格は前漁期の2倍程度になりそうだという。   稚魚の高騰は、成魚の価格も押し上げる。日本養鰻(ようまん)漁業協同組合連合会(日鰻連、静岡市駿河区)によると、東海地区で1月に1キロ(5、6匹)当たり3000円台前半だった活ウナギの取引価格は、稚魚の不漁が伝わると徐々に値を上げ、6月に入って4000円前後まで上昇した。  

さらに、昨年11月以降に池入れした今漁期の「新物」が出そろうのはこれから。新物は人気があり、土用の丑の日の商戦に向け、一段と価格が上昇する可能性もある。市場関係者は「相場についてはまだ何ともいえないが、品薄感はある」と分析する。

  不安を募らせているのは、鮮度の良さや国産にこだわるうなぎ専門店だ。90店ほどが加盟する東京鰻蒲焼商組合の三田俊介顧問(前理事長)は「昨年は1キロ当たりの仕入れ価格が3000円台まで下がって安心したが、活ウナギが不足気味の今年は再び5000円台に向かっている」と警戒する。   前回、仕入れ価格が5000円台に上昇したときには価格転嫁しきれない専門店が続出し、160程度あった加盟店の廃業が相次いだ。三田顧問は「専門店でうなぎを食べることを楽しみにするお客さんがいる。そう簡単に値上げはできない。あおりを受けるのはいつもわれわれだ」とため息をつく。   対照的に、大手スーパーは「足元の相場上昇の影響はそれほど大きくない」(首都圏の大手スーパー)と余裕を見せる。 大手スーパーは価格戦略上、手当てした時期を明らかにしないが、「安値で推移した昨年秋から今年初めにかけて、ウナギを買いあさっていた」(都内のうなぎ専門店)。丑の日商戦用のウナギを春までに手当てしていたとみられる。   bsd1506120500002-p2  

 1000円かば焼きも

  大手スーパーの価格動向について、日本鰻輸入組合の森山喬司理事長は「昨年の大手スーパーのかば焼きは1匹1500~2200円だった。今年は1300~1800円で提供できるのでは。小ぶりなら、1000円程度のかば焼きも店頭に並ぶかもしれない」と予想する。   一方、安価な国産ウナギを調達できなかった中小規模のスーパーは、割安な中国産や台湾産などの輸入かば焼きで商戦を乗り切る構えだ。「今年は円安で輸入品の値が比較的高く、メリットが薄い。品不足となるスーパーが出てくるかもしれない」(森山理事長)といい、苦戦を強いられそうだ。   とはいえ、足元のウナギの価格に一喜一憂しているだけでは、消費者のうなぎ離れに歯止めがかかりそうにない。総務省の家計調査によると、丑の日がある7月にうなぎのかば焼きを買った家庭は昨年、29%しかなかった。2006年までは家庭の半分が購入していたが、稚魚の不漁で価格が高騰し、これが消費者離れを起こしている。  

さらに、ウナギの乱獲を防ぐため、資源管理の徹底も進む。今月1~3日、札幌市で開かれたウナギの資源保護策に関する国際会合で、日本と中国、韓国、台湾の4カ国・地域は次の漁期に養殖池に投入できる稚魚の量を今漁期の上限と同水準とすることで一致した。

  4カ国・地域は昨年9月、自主的な取り組みとして養殖を制限することで合意し、今漁期に養殖池に入れる稚魚の量を前漁期比で2割削減した。2年連続の削減は見送られたが、国際会合では今後、法的な拘束力のある規制の構築に向けて話し合いを継続する。日本の養殖団体は、食文化を守るためにも協力する考えだ。   中長期的なウナギの供給が不安定な中、消費者に値頃感があるうなぎ料理をどうやって提供するのか。業界関係者の知恵の結集が求められる。(佐藤克史)      

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