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send 不漁深刻化で漁業者への補填支出が急増 基金枯渇の危機

2020年1月20日 月曜日

不漁などによる減収を補填(ほてん)するため国と漁業者の拠出で運営している基金が、枯渇の危機に陥っている。秋サケやサンマ、イカなどの記録的な漁獲減少の影響で支出が急増し、2015年度末時点で635億円あった国の拠出分の基金残高は、18年度末に312億円まで急減した。国は支出抑制で枯渇回避を模索するが、補償切り下げにつながると漁業者の反発が強く、打開策が見いだせていない状況だ。 基金は「漁業者が安心して操業するための大きな安全網」(業界団体幹部)になっている。基金枯渇の危機は不漁が深刻化し漁獲制限も進む中で新たな不安の種となる。

福島県いわき市の小名浜港に水揚げされたサンマ=2019年11月

この基金は「積立ぷらす」と呼ばれる制度で、漁業者が減収となったときに、漁業共済による補填に上乗せする形で手厚い補償を受けられる。原則として漁業者の収入が平年の9割の水準を下回った場合が対象。財源は国が4分の3、漁業者が4分の1を負担することになっている。 しかし最近は主要魚種の不漁やノリの不作で基金からの支出が急増。国の拠出分からの支出は、18年度には前年度より約5割多い266億円に拡大した。19年度もこれを上回る支出が見込まれている。政府は主に基金への追加財源とする経費として19年度補正予算案と20年度当初予算案に計353億円を計上したが、20年度以降も漁獲が回復しなければ基金が圧迫される状況に変わりはない。 仮に基金が枯渇した場合、現行の規定では漁業者が減収となっても、国からの拠出による補填は満額支払われないことになっている。このため水産庁は、20年夏までに支出を抑制するための制度見直しを検討し、枯渇を回避したい考えだ。ただ国の支出を抑制しようとすれば補償の水準を切り下げるなどの対応が必要になり、議論は曲折も予想される。   【用語解説】日本の漁獲減少 農林水産省の漁業・養殖業生産統計によると、養殖を含む日本の漁獲量は近年、減少傾向が目立つ。2018年の日本全体の漁獲量は約440万トンで、前年は上回ったものの、ピークの1984年と比べると3割程度の水準にとどまった。原因として海流や海水温など海洋環境の変化のほか、乱獲の影響が指摘されており、水産庁は水揚げの回復に向け、サンマの国際的な漁獲枠の導入など資源管理を強化している。    

フジサンケイビジネスアイ

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