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三菱重工、大型客船から撤退 収益改善見込めず 「取り組むべきでない」
2016年10月19日 水曜日

日本の造船受注量は昨年、リーマン・ショック後では最高となったが、中国の景気減速を背景にした海運市況の悪化などで今年は需要が急減。1~8月期の受注量は258万総トンと前年同期比で約81%も減少した。日本造船工業会の村山滋会長(川崎重工業会長)は「新造船の発注はしばらく様子見が続く。ふんばりどころだ」と、この先も厳しい市場環境が続くとみる。
生き残りのために造船各社は抜本的な構造改革を迫られている。三菱重工が今治造船など3社との提携に踏み切ったのもこのためで、再編の動きはさらに広がる見通しだ。 一方、三菱重工は造船以外の事業も苦戦が続く。開発中のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)は納期を相次ぎ延期し、3000億円ともいわれる開発費が膨らむ可能性がある。米国では、原子力発電所に納めた蒸気発生器が壊れて廃炉になったとして、約7000億円の巨額賠償を請求されている。 造船事業の売上高は約1500億円と、約4兆円の全体売上高の1割にも満たない。今回の客船事業の見直しなどで造船分野の収益が改善したとしても、課題が山積する状況は変わらず、経営の立て直しは道半ばだ。(井田通人)