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send ワクチン保管冷凍庫増産急ぐ 各社フル稼働、ドライアイスは供給不足懸念

2021年1月8日 金曜日

大量のワクチンを保管できるPHCホールディングスの超低温冷凍庫(同社提供)

新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動の両立に不可欠なワクチン接種に向けて、冷凍庫などの関連業界が増産を急いでいる。ワクチンの輸送・管理には低温を保つ必要あるためで、ドライアイスメーカーなども対応を準備している。ワクチンについては菅義偉首相が2月下旬までの接種開始を目指す考えを明言しているが、円滑な接種には輸送・管理体制も整える必要があり、関連メーカー各社は最大限対応する構えだ。

政府は米製薬大手ファイザーと英製薬大手アストラゼネカから各1億2000万回分のワクチンと、米バイオ企業モデルナから5000万回分の提供を受けることで基本合意している。厚生労働省はワクチンの本格供給に向けて、昨秋以降、冷凍庫やドライアイスメーカーに水面下で生産についての問い合わせを行ってきた。

冷凍庫については、すでに厚労省は今年度中に計1万500台を確保する考えを明らかにしている。内訳は零下75度対応が3000台、零下20度対応が7500台で、国が各市町村に配置する見通しだ。

超低温冷凍庫で、世界シェア2位のPHCホールディングス(東京都港区)にも厚労省から問い合わせがあった。現在、厚労省は機種の選定作業を進めており、正式な発注を待っている状況だが、すでに「群馬工場を24時間3交代制に切り替えて、フル稼働している」(中村伸朗執行役員)という。

接種が計画されているワクチンは、ファイザー製が零下75度、モデルナ製が零下20度の低温管理が必要とされる。PHCホールディングスはいずれにも対応できるラインアップをそろえている。容量700リットルの超低温冷凍庫はワクチン容器を最大3万本入れられる。

コロナの感染が世界で広がった昨年2月以降、同社には海外の製薬会社や物流会社からの注文が増え、8月に工場を2交代制に切り替えた。「最近は各国政府や医療機関からの注文が多い」(同)という。今年度の超低温冷凍庫販売は前年度比2倍を見込んでいる。

超低温冷凍庫の国内シェア2位の日本フリーザー(東京都文京区)も同様に国内外から注文が増えており、すでに増産に入っている。

一方、戦々恐々としているのがドライアイスメーカーだ。ワクチン輸送で必要となる粒状のドライアイスの製造機の台数が限られているためだ。厚労省は昨年12月に増産の協力要請を行ったが、「他の受注を止めないと対応できない。それでも不足に陥る可能性がある」(業界関係者)との声も漏れる。

粒状のドライアイス不足を想定した動きも出ている。低温輸送容器を製造するスギヤマゲン(東京都文京区)はアルミ製の内箱を使って、角形ドライアイス20キロを投入すれば、零下70度以下を約12日間保持できる断熱ボックスを開発した。2月以降に販売を始める。 角形のドライアイスでもワクチン保管できるようにすることで、新たな需要を取り込む狙いがある。杉山大介社長は「冷凍庫のないクリニックなどに販売したい」としている。 (黄金崎元)

フジサンケイビジネスアイ

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