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send ロシア自動車市場、欧米勢は投資縮小でも… 攻勢かける中国と脅える韓国

2015年6月8日 月曜日

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【クレムリン経済学】長城汽車、力帆汽車が自前工場建設

  景気低迷で欧米メーカーが相次ぎ生産を縮小するロシアの自動車市場で、中国メーカーが攻勢をかけている。長城汽車と力帆汽車の2社は、ロシア国内で中国勢としては初となる自前の生産工場を2017年にロシア西部で立ち上げる計画だ。政治・経済面での両国の接近を受け、中国企業が好機と判断しているもようだ。   現地報道によると、長城汽車はロシア西部トゥーラ州で既に工場建設に着手し、17年の生産開始を目指している。20年には、年間15万台を生産する計画だ。力帆汽車も約3億ドル(約374億円)を投じ、西部リペツク州に工場を建設。21年には年産6万台を目指す。他の中国企業も、自社工場の建設を検討しているとされる。   中国企業は、これまでもロシア国内で自動車生産を行ってきたが、ロシア資本が保有する工場などでの生産にとどまってきた。   現在、長城汽車はスポーツ用多目的車(SUV)「Hover」をロシアで生産しているほか、力帆汽車も「X60」というSUVやセダン車などを生産している。X60はロシア市場で最も成功している中国車とされる。   14年のロシア市場での中国車販売台数は約8万2000台。新たな工場の建設計画が順調に進めば、2社だけで昨年比の倍以上の生産を目指すことになる。   mcb1506080500004-p2  

 欧米企業は投資縮小

  ロシアの自動車市場は欧米の制裁や原油価格の低迷、通貨下落の影響を受け、販売台数が急減。今年は前年比で約25%もの減少が確実視されている。   そのため欧米メーカーを中心に“ロシア離れ”が急速に進んでいる。米ゼネラル・モーターズ(GM)は3月、サンクトペテルブルクの工場閉鎖を発表し、市場に衝撃を与えた。「オペル」ブランドの販売も年内に終了する予定だ。仏プジョー・シトロエン・グループ(PSA)や独フォルクスワーゲン(VW)も今春、相次ぎ生産台数を削減すると報じられた。   日本メーカーも苦戦が続く。現時点で、大幅な生産縮小や撤退などは伝えられていないが、販売は高級車を除き、急落している。日本企業の関係者からは、自動車市場の落ち込みは「リーマン・ショック以来の規模になる」との指摘も出ている。   そのような状況での中国メーカーの攻勢の背景には、中露関係の緊密化を受け、対露進出を有利に進められるとの判断があるもようだ。  

中国の習近平国家主席は5月9日、モスクワでの対独戦勝70周年記念式典に出席。欧米首脳が相次ぎ欠席するなか、中露の“蜜月”を演出し、経済分野でも多くの案件で合意がなされた。

  中露の経済関係は容易ではない。中国と旧ソ連の間では1960年代に武力衝突が発生し、現在も国境付近では緊張が強い。   一方、人口が希薄で経済も脆弱(ぜいじゃく)なロシア極東地方は、人口・経済ともに膨張を続ける中国への懸念が極めて強く、ロシア政府は中国に対し、同国からの投資を「事実上制限する政策を長年取ってきた」(日露貿易筋)とされる。   「精神的壁なくなる」   しかし、そのような関係がウクライナ問題を受けて急速に変化してきた。欧米や日本企業が投資を控えるなか、ロシアは中国による投資への「精神的な壁はなくなった」(ドゥボルコビッチ副首相)とまで述べ、その受け入れ拡大を容認する姿勢に転じているとされる。  

ロシアは3月末、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加も表明。AIIBの融資を、ロシア極東に投じる考えを明らかにした。

  ただ、廉価な中国車は販売価格帯が同じとされるロシアメーカーとの競合が必至だ。同様にロシア市場で価格の安さで攻勢をかける韓国メーカーも、中国メーカーの進出を脅威とみなしているという。   ロシアの自動車市場は、現状でも「生産規模が需要を上回っている状況」(露VTBキャピタルのアナリスト、ベスパロフ氏)とされる。今後はメーカー間の淘汰(とうた)が本格化する可能性がありそうだ。(モスクワ 黒川信雄)

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