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send ラップ口座、激しさ増す競争 野村、SMBC日興証券など「2強」追い上げ

2014年9月3日 水曜日

bse1409030500002-p1  金融機関に運用を一任する「ラップ口座」の市場拡大に伴い、証券会社や信託銀行などの顧客獲得競争が激しさを増している。この分野では大和証券と三井住友信託銀行が「2強」だが、証券最大手の野村証券が全店での取り扱いを始めたほか、銀行系証券も注力。預貯金の相対的な価値が目減りするインフレ期待を背景に、個人投資家からの需要が高まっている。    ラップ口座は、2004年の制度改正で運用報告義務が簡素化されたことなどで増え始めた。昨年の株高や今年始まった少額投資非課税制度(NISA)などが後押しする「貯蓄から投資へ」の受け皿となるサービスとしても注目されている。    6月末時点の残高は、トップの大和が6260億円、2位の三井住友信託が4460億円。3月末からの伸びが大きいのは野村で、約4割増の3400億~3500億円程度になったようだ。   全店で取り扱い    野村は160の本支店全てに取り扱いを広げた。「現場の営業担当者が顧客のニーズの変化をきめ細かくくみ上げ、一生お付き合いできるサービスとして取り組んでいる」(立山浩二投資顧問事業部長)    4位のSMBC日興証券も昨年7月、最低投資額をそれまでの1000万円から300万円に引き下げるなど、顧客基盤の拡大に乗り出した。6月末の口座残高は3カ月前から約400億円増の1647億円。アセットマネジメント・マーケティング部の佐々木知信ラップビジネス課長は「富裕層ビジネスで実績のあるエドモン・ドゥ・ロスチャイルドが運用するファンドに投資できるのが特徴だ」とアピール。同社は16年3月期の残高目標を3000億円超に設定した。    三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、13年に撤退したラップ口座への再参入を検討している。6月下旬に就任した長岡孝社長は「ニーズが強くなっている」と指摘しており、年内にもサービス提供を再開する見通しだ。   先行者の強み強調    一方、迎え撃つ大和の松村健一ラップビジネス部長は「(グループの)大和ネクスト銀行と連携し、『貯蓄から投資へ』を体現するサービスとして強化していく。先行者として、ノウハウを蓄積してきた強みがある」と優位性の維持に自信をみせる。   市場拡大を後押しするのは、安倍晋三政権の目指すデフレ脱却の動きだ。    「インフレから大切な資産を守る運用を提案したい」    SMBC日興が先月中旬、都内で開いた「ラップセミナー」。講師が強調したのは、デフレ脱却で物価が上昇すれば、相対的に預貯金の価値が目減りすることだった。    特に、預貯金を扱わない証券会社は、顧客が将来の生活や子供の教育などに使う「減らしたくない」資産の受け皿となる商品をほとんど持たなかった。ラップ口座は分散投資のため、比較的安定した運用が見込める。「顧客の中核的な資産をお預かりできる」(野村の立山部長)として、重要性が増している。    また、株式相場の状況に業績が大きく左右される証券会社は安定化に向け、預かり資産から得られる収益の拡大を目指している。ラップ口座の残高を増やせば、この取り組みにも合致する。   米は300兆円超、市場拡大に余地    ラップ口座は、国内外の株や債券、不動産投資信託(REIT)などに投資する投資信託を組み合わせ、顧客のリスク許容度に応じた運用を金融機関が行う。    例えば、保守的な運用を求める顧客には、国内債券の比率を高めにする。それぞれの投信の値動きの違いにより、最初に決めた資産配分は変わっていくが、一定期間ごとに一部を売買して元の配分を維持する「リバランス」も、金融機関が顧客に代わって行う。もともとは数億円、数千万円の資産が対象だったが、2007年ごろから最低投資額を500万~300万円に引き下げたサービスが登場した。    大和証券ラップビジネス部の前田拓也副部長は「投資への心理的なハードルを下げたサービスで、最初のステップとして選んでいただきたい」と話す。ラップ口座は米国では300兆円を超える市場になっているのに対し、日本投資顧問業協会によると国内は3月末時点で1兆3760億円にすぎず、拡大の余地は大きい。野村は20年までの長期目標で、ラップを含めた投資一任サービスの口座残高を14年3月末から3兆円増やすことを掲げる。競争激化が市場の拡大に拍車をかけそうだ。(高橋寛次)

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