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send モノづくりの中部圏に新産業を

2020年1月6日 月曜日

「ナゴヤ・イノベーターズ・ガレージ」で、起業家育成プログラムを受講する会社員=2019年12月、名古屋市

産学官が協力、ベンチャー支援拠点続々開設

自動車など「モノづくり」に強みがある中部圏で、新たな成長産業の芽を模索する動きが出てきた。産学官が協力し、起業を後押ししたり、ベンチャー企業を支援したりするための拠点を相次いで開設。背景にあるのは、デジタル化の進展で産業構造が変化する中、従来型のモノづくり産業だけでは競争力が低下するとの危機感だ。 2019年11月、名古屋大など11大学の学生約40人が、創業支援拠点「なごのキャンパス」(名古屋市)で、起業のアイデアを競うコンテストに参加した。生分解プラスチックのフィルムを剥がせば何度も使える皿を考案、優秀賞を獲得した名古屋大1年の清水貴広さん(20)は「(拠点は)社会人との交流の場所として重要だ」と話す。 なごのキャンパスは19年10月、トヨタ自動車グループの東和不動産が中心となり、名古屋駅近くの廃校になった小学校を活用し、オープンした。教室は個室オフィスに改装、職員室は共有スペースにして商談などに使えるようにした。東和不動産の鵜飼正男社長は「この地域は(創業間もない)スタートアップ企業が少ない。これからの産業をつくるお手伝いをしたい」と語る。 中部経済連合会と名古屋市も19年7月、同市の繁華街、栄地区に新ビジネス創出のための拠点「ナゴヤ・イノベーターズ・ガレージ」を開設した。150人規模で利用できる多目的エリアがあり、大学と企業を橋渡しするイベントを開催。トヨタ自動車や中部電力などが法人会員となり、異業種との交流を進める。 中経連は「中部圏には自動車や航空機など世界をリードする産業が集積している」とする一方で「モノづくり産業に頼り安定志向が強い」と分析。生産性を高めなければ、中部圏の国内総生産(GDP)は15年の81兆円から50年には56兆円に減ると試算し、危機感は強い。愛知県も20年度から同市内に宿泊設備を備えた起業支援の拠点を整備する計画だ。 ただ日本はベンチャー育成の環境整備で遅れ、19年版中小企業白書によると、起業活動は米国や中国に比べ低水準が続く。近年は東京都千代田区、大阪市、福岡市でも支援拠点が続々とオープンしているものの、巻き返しは容易ではない。 名古屋市の拠点作りに力を入れてきた中経連の豊田鉄郎会長は「年齢も性別も学歴もばらばらな人が意見を交わし、何かのヒントになって新しいものが生まれるといい」と、起業家同士の相乗効果に期待を寄せる。

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