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send メキシコ進出の日本車各社、「20%課税」に強まる危機感

2017年1月30日 月曜日

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トヨタ自動車のメキシコ工場。メキシコに進出した日本車各社は危機感を強めている
 

米国のトランプ新政権が、メキシコからの輸入品に20%の課税を検討している。メキシコ工場を米国への輸出拠点と位置づけてきた日本の自動車各社にとって、導入されれば大打撃は必至だ。国際的な貿易ルールに違反するとの指摘もあるが、追随してメキシコに進出した部品会社を含めて危機感を強めている。一方、低関税の恩恵を受けていた米国の輸入企業に悪影響が出る可能性がある。

◆15年度135万台 スパイサー米大統領報道官が26日(米国時間)、「20%課税」を切り出したのは、トランプ大統領を乗せてフィラデルフィアからワシントンに戻る大統領専用機の中だった。同行記者団に、これでメキシコ国境への壁の建設費として「年100億ドル(約1兆1600億円)が得られる」と語ったが、経済的な影響には特段触れなかった。 米国とメキシコ、カナダは北米自由貿易協定(NAFTA)を結び、3カ国間の関税はゼロだ。そのため、日本の自動車各社は米国での現地生産のほか、労働力が比較的安いメキシコにも工場を建設。「重要な戦略拠点」(マツダの小飼雅道社長)にしてきた。2015年度の生産台数はトヨタ自動車など大手4社で135万台に上り、計画中の新工場が稼働すれば150万台を超える。 トランプ氏がNAFTAの再交渉を表明した際は、自動車各社も政策の様子見ムードがあったが、20%課税と具体的な数字が示され、「最悪のケースを想定し、対応策を検討する必要がある」(自動車大手関係者)との声も上がる。ある大手幹部は「輸出先を米国から他の地域に変更することもあり得る」という。

自動車業界に詳しい三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一シニアアナリストは「日本からの輸出に切り替えるところが出てくるかもしれない」と話す。

ただ、トランプ氏は日米の貿易不均衡の要因として日本の自動車市場をやり玉にしている。米国への輸出が増えるとさらに批判を受けかねない。 スパイサー氏の発言について、関税ではなく、米共和党が提案する法人税改革を指すとの見方が強い。米国に生産拠点を持ち、海外に輸出する企業を優遇する一方、米国内の企業が製品や部品を輸入する際の課税を強化する仕組みだ。 ◆部品会社も戦々恐々 メキシコにとどまらず、日本を含めた全ての国の輸入品に該当する恐れがあるが、日本政府内では「輸出企業を優遇する補助金とみなされて世界貿易機関(WTO)協定違反と認定される可能性がある」(経済官庁幹部)との指摘が出ている。米国の自動車関連企業も多数メキシコに進出しており、影響が米国に跳ね返ってくる事態も考えられる。世界中から商品を仕入れる米小売業の利益も減少しかねない。 部品会社も戦々恐々だ。トヨタ自動車グループのデンソーはメキシコでカーエアコンやエンジン関連の部品を生産し、一部を米国に輸出。「トランプ氏の政策が実現可能かどうかを含め、動向を見守るしかない」と警戒する。自動車の内装品などを手掛ける住友理工の西村義明会長も「自動車メーカーが撤退すれば追随を検討せざるを得ない」としている。広島県の部品会社は「マツダの生産台数が減れば大きな影響を受ける」と懸念を示した。

フジサンケイビジネスアイ

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