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send メキシコ投資 日本企業の大半足踏みも中小は進出 判断の決め手は

2017年3月3日 金曜日

北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や国境の壁建設など、米国とメキシコの関係が不安定化し、メキシコへの投資を「様子見」する日本企業が大半の中、あえて投資を進める中小企業がある。米国以外にも多数の国と自由貿易協定(FTA)を結ぶメキシコの優位性は、中長期的には変わらないという経営判断だ。

先行者メリット期待 ブルームバーグによると、メキシコのグアハルド経済相は米国がメキシコからの輸入品に対する関税あるいは割当制の導入に固執するなら、NAFTA再交渉の協議を打ち切るとし、米国への不信感をあらわにした。 ただ、2月28日のトランプ大統領の施政方針演説では、メキシコへの言及がほとんどなかった。日本貿易振興機構(ジェトロ)は「全体的にはポジティブな内容で、従来の強硬姿勢から現実路線になっているようだ」と分析する。 再交渉の行方が不透明な中、メキシコ進出を決めている日本企業は中長期的な視点で投資を判断している。 昨年12月末、メキシコの最大手工業団地運営会社のリンテルと総代理店契約を結んだ日鉄住金物産によると、今年1、2月に中小企業2社の進出調査を現地で支援し、いずれの企業も土地の選定を進めている。

同工業団地などへの進出を検討していた20社程度のうち、約半分の企業が判断を先送りしているだけに、日鉄住金物産の林邦亮・インフラ事業推進部長は「環境は厳しいが、今進出すれば工場建設などで先行者メリットを期待できるとの判断がある」と分析する。ジェトロのメキシコ事務所も「現地法人設立に向け、今も数社が登記手続きを粛々と進めている」と明かす。

こうした動きに対応し、日鉄住金物産は今年から社員1人を長期出張から駐在に切り替えた。自動車工場が集積するグアナファト州レオンの工業団地内オフィスに常駐し、進出手続き代行から従業員募集、会計・税務サポートまで手厚い支援を行う考えだ。 生産縮小も撤退ない メキシコをめぐっては、安価な労働力と米国向け関税ゼロのNAFTAを活用し、約1100社の日系進出企業のうち、自動車関連企業は500社強を占める。2019年のトヨタ自動車の新工場稼働を見据え、自動車メーカーや1次下請けの進出意欲は高い。 14年から現地生産をしている樹脂やゴム製部品製造、タイガースポリマー(大阪府豊中市)のメキシコ法人の村田洋社長は「納入先企業の生産縮小があったとしても撤退はない」とした上で、「部品メーカーは最低5年先をみる投資サイクルだ。大統領任期は4年で、再交渉が長引けば、影響は少ない。堪え忍ぶしかない」と打ち明ける。 メキシコは46カ国とFTAを結んでおり、今後もアジアの国と2国間で自由貿易交渉を進める方針だ。1次下請けメーカーの中には、比較的部品産業が少ないブラジルやアルゼンチン向けの輸出に活路を見いだすことを検討するなど、生き残り策を模索している。(上原すみ子)

フジサンケイビジネスアイ

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