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send マンション「水市場」受注競争 水道管改修、低コスト・工期短縮アピール

2014年10月1日 水曜日

bsc1410010500007-p1   中古マンションの水道管改修ビジネスに関心が集まっている。“適齢期”とされる築30年を超える住戸は全国で100万に達し、今後も着実に積み上がっていくためだ。潜在需要の大きさは魅力的で、この水市場をめぐり参入各社は新たな工法や水処理装置で性能を競い、低コスト化をアピール。受注競争でしのぎを削っている。   処理装置や工法開発   創立100年を超える文房具界の名門、セーラー万年筆は今年から、水処理装置「アクアセーラー」の本格販売に乗り出した。収益基盤を強化するため、主力の万年筆、ロボット事業に続く第3の柱に環境事業を掲げて育成しているが、その核を水処理装置が担う。   水道管の経年劣化が進むと、水漏れなどの問題が生じ日常生活に支障をきたす。交換工事は避けて通れないが、多額の費用と長い工期がネックとなりマンション住民の合意が難しく、市場の伸びは緩慢だ。   セーラーはこうした動向に着目。施設の水道の元栓に設置するだけで、管内部のさびや炭酸カルシウムなどの剥離を促し、再付着を防止する機能を持つ水処理装置でマンション市場に切り込んだ。   同装置は水処理装置専門メーカー、日本治水(宮崎県綾町)が開発した。2ミリ径の粒状セラミックスが入った容器に水道水を通して水を抗酸化する仕組みだ。トイレの尿石や悪臭も除去する。新幹線のトイレに採用されるなど導入実績も多く、提携を決めた。   セーラーの竹内勝好・新規市場担当部長は「メンテナンスが不要で、コスト面での競争力は高い」と普及に自信を示す。一般商業施設などにも売り込み、2015年度は数億円の事業規模を見込む。   マンション施工実績でトップの長谷工コーポレーションは、リフォームなどストック事業の強化を課題に掲げる。水道管改修事業は、成長戦略を実現するための牙城と位置づける。   武器はクボタと共同開発した新工法。従来比5%低いコストで排水管を交換できる点を売りにしている。   排水管は建物の構造体に埋まっているため、構造体のコンクリートスラブを壊して古い排水管を取り除くのが一般的だ。工事中は大きな騒音や振動が発生し、居住者の暮らしに多大な迷惑をかけるため、「並大抵の努力では(改修の必要性を訴えても)通用しなかった」(技術研究所第4研究開発室の山鹿英雄専門役)のが実態だ。   これに対し新工法は、スラブに埋まっている継ぎ手部分をドライアイスで冷却して直径を縮め、下の階から油圧ジャッキで押し上げて抜く。その後、新開発の更新用集合管を取り付け、排水性を20%向上させた。工期も4分の1短縮できるため、売り込みに力を入れている。   部材9割を自社調達   積水化学工業は昨年、マンション専有部のリノベーション事業に参入。共用部を含めマンション全体で、16年度に100億円の売り上げを目指す。   その中核を担うのが、既設管を腐食しない樹脂管に切り替える配管更新工事。これを突破口に、リノベーションの受注を有利に進める戦略だ。ライバルは他社から部材を調達するが、積水化学は取り扱う部材のうち9割を自社製品で賄うため低コスト化が可能。また「他社では決してまねできない性能面で際だった商品も用意。それらを駆使して工事を進めるので工期、費用の面で競争力を発揮できる」と高見浩三取締役は言い切る。   ■建て替え進まず水道管の更新需要活発化   不動産専門の情報サービスを提供する東京カンテイは、新築マンションが建て替え物件に代わるまでの期間をマンション寿命とみなし、これまでの建て替え事例202件を検証した。それによると平均寿命は33.4年だった。   水道管の劣化が進み、改修が必要なのは築33~34年を経過した物件との指摘が多いだけに、水道管の寿命イコール建物の寿命といえる。   国土交通省の調査によると、マンションの老朽化対策を議論している管理組合は約3分の1にすぎない。そのうえ、対策を検討しても、建て替えへの合意形成は思うように進まない。   このため大規模リニューアルによる延命が当面は主流とみられ、水道管の更新需要をめぐる動きがさらに活発化することになりそうだ。(伊藤俊祐)

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