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send マツダブランド向上へ正念場 新世代エンジン搭載SUV発売、拡販と両立目指す

2020年1月17日 金曜日

新世代エンジン「スカイアクティブX」を搭載したマツダのSUV「CX-30」

マツダは16日、新世代エンジン「スカイアクティブX」を搭載したスポーツ用多目的車(SUV)「CX-30」を国内で発売した。世界で初めてマツダが実用化した画期的な燃焼技術が使われており、社運を懸けた「新世代商品」の象徴ともいえる。ただ、車両価格は搭載していないモデルと比べて約70万円アップするため、独自性をどこまで伝えられるかが鍵だ。足元の新車販売は苦戦が続いており、ブランド価値向上と拡販を両立できるか、マツダは正念場を迎えている。 「X」は、ディーゼルエンジンと同じように燃料と空気が混ざった混合気を圧縮して着火する、これまでにないガソリンエンジン。マツダは燃焼状態を監視して点火タイミングなどを緻密に制御する技術を確立し、量産にこぎつけた。中井英二執行役員は「反応が良く、スムーズで上質な走りと燃費性能を両立した」と胸を張る。マツダは昨年12月、新世代商品の第1弾「マツダ3」で初めて、X搭載モデルを投入した。 CX-30のスカイアクティブX搭載車は329万4500円から。既に販売されている通常のガソリンエンジン搭載車と同じグレードで比べると、68万2000円の差がある。この価格差について、マーケティングを担当する国内営業本部の斉藤圭介主幹は「コストが上がっているだけでなく、これまでマツダが開拓できていなかった顧客層を取り込むためでもある」と打ち明ける。 具体的には、メルセデス・ベンツやアウディなど、欧州の高級車の購入を検討するような消費者を想定しているという。 一方で、昨年11月の決算記者会見でマツダの藤原清志副社長は、「高級路線ではない」と強調した。一見、矛盾しているようだが、ここにマツダが進もうとしている隘路(あいろ)が浮かび上がる。ブランド価値を上げるが、これまでのマツダファンの多くが手の届かなくなるような価格帯の高級車ではない-という絶妙な立ち位置。その中でX搭載車は、高級車に近いポジションを占めるというわけだ。   ■単価アップで苦戦「生みの苦しみ」 マツダ車はかつて、下取り価格が安く、一度購入すると大幅に値引きされたマツダ車にしか買い替えられず、“マツダ地獄”と揶揄(やゆ)された。こうした反省を踏まえ、最重要課題としてブランド価値の向上を進めている。 2012年に本格的に展開を始めた前世代の「スカイアクティブ」技術は、走行性能などに優れるイメージを定着させるなど成功を収めており、昨年から投入を始めた新世代商品群でブランド価値をさらに一段、引き上げたい考えだ。 もっとも、この路線を貫くのは容易でない。マツダは主要市場である米国、中国の販売で苦戦。頼みのマツダ3も単価アップにより、米国での販売は思ったようには広がらなかった。昨秋には標準の装備を充実させ、実質値下げに踏み切るなど、戦略を修正。ブランド価値向上は一朝一夕には行かず、“生みの苦しみ”を味わっている。 20年3月期の最終利益予想は前期比31.9%減と足元の業績は厳しく、トヨタ自動車と合弁で米アラバマ州に建設中の新工場への投資など経費もかさむ。また、マツダは新世代商品群をすでに投入を始めた「スモール」と、準備中の「ラージ」に分けているが、米国などで拡販が期待できるラージの投入は23年3月期と、当初予定より1年ほど遅れる。 今月30日に創立100周年を迎えるマツダ。丸本明社長は新年のあいさつで、「高い商品価値を納得いただける価格でお客さまに提供するため、独自性にあふれた商品・技術の開発に投資し、顧客体験にも力を入れる」と話した。取り巻く環境の厳しさを耐え抜き、ブランド価値向上の“果実”をもぎ取れるか-。マツダの粘り強さが問われている。(高橋寛次)

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