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send ベンツも積極的に採用 欧州車市場で存在感増すアルミ 神鋼など海外生産加速

2015年5月1日 金曜日

  bsc1505010500004-p2   ■【素材ウオーズ】(中)
  世界の自動車業界で、軽量化につながるアルミニウムの採用が進んでいる。独メルセデス・ベンツが中型車「Cクラス」で車体の骨格に使うアルミの割合を大幅に増やして重量を70キロ軽くしたほか、米フォード・モーターは主力のピックアップトラック「F-150」の2015年版で車体に初めて採用。欧米のアルミ大手が普及を牽引(けんいん)する中、神戸製鋼所やアルミ圧延大手のUACJなど日本勢も需要の拡大を見据えて海外進出を加速している。   軽量化・コスト効果
  首都・北京の玄関口となる港町として発展してきた中国東部の経済都市・天津でいま、神鋼の工場建設が進められている。自動車の車体用などのアルミ板材を2016年初めから生産する予定で、神鋼のアルミ板材事業としては初の海外拠点となる。   約75億円を投じ、年10万トンの生産能力を整える。アルミ・銅事業部門の相浦直・担当部長は「日系メーカーに加え、現地の自動車市場で中心的な存在の欧州メーカーにも供給したい」と意気込む。   神鋼は国産車向けのアルミ板材で50%のトップシェアを誇る。海外には真岡製造所(栃木県)から輸出してきたが、需要の本格化に伴い、自動車メーカーが工場を持つ現地での生産に乗り出す。   中国の自動車生産は14年に2372万台に達し、日本の2倍以上の規模を持つ世界最大の市場。神鋼は世界的なアルミ大手の米ノベリスに次ぐ進出で、伸びる需要を先行して獲得したい考え。さらに、米国でも生産拠点の設立を検討する。   13年に古河スカイと住友軽金属工業が統合して誕生した国内アルミ最大手UACJも、オランダ大手のコンステリウムと合弁で1億5000万ドル(約180億円)を投じ、米ケンタッキー州に年産10万トンの能力を持つ自動車用の板材工場を建設し、16年に稼働させる。UACJは「F-150が起爆剤となり米国で立ち上がる需要を取り込みたい」(広報担当者)とする。   自動車業界とアルミの歴史は長い。鋳型に流し込んでつくる鋳造品がエンジンなどに使われ始めた1980年前後以降、アルミの使用量はほぼ一貫して増え続け、板材の需要も徐々に伸長。エアバッグやカーナビゲーションなど車の装備品が増える中、「重量が増えるのを抑える役割を果たした」(神鋼アルミ・銅事業部門の桜井健夫・技術担当次長)という。しかし、各国の環境規制の強化などで燃費競争が激化する中、車両自体の軽量化が求められるようになった。そのため車体や骨格など「鉄の牙城」だった素材にも、アルミの採用が顕著になっている。   アルミは比重が鉄の3分の1と軽量で、国内の圧延品の平均価格は1キロ約460円(1月時点)。鉄の数十円と比べると高いものの、より軽量な炭素繊維の2000~3000円と比べると割安だ。アルミを板材としてボディーや屋根などに使えば車両の重心が下がり、走行時の安定性も確保できる。   加工面でのメリットも大きい。「アルミは同じ金属なので鉄と同様の成形ができる」(相浦氏)。メルセデス・ベンツが日本でも昨年7月に発売したCクラスで、アルミの割合を部品の表面積比で従来の9%から48%に増やし骨格部分の重量を70キロ軽くするなど、欧米自動車メーカーは採用に積極的だ。   bsc1505010500004-p1   日本では少ない恩恵
  ただ、高級車が多い欧州自動車メーカーに比べ、軽自動車など小型車が中心の日本メーカーにはアルミを採用する恩恵は比較的少ない。また、欧米ではオランダのコンステリウムや米アルコアなどアルミ大手の影響力が大きい一方、日本では鉄鋼業界の競争力が高い。「労働組合の強い米国の鉄鋼業は競争力が低く、日系メーカーからF-150のようにアルミを積極的に採用した車は登場しない」(証券アナリスト)との見方もある。その結果、日本のアルミ各社は中国など新興市場に活路を見いださざるを得ない状況だ。   鉄鋼大手でもある神鋼は販売網を生かしてアルミの最適な使い方を提案し、多様な素材を組み合わせる「マルチマテリアル」化を進める。相浦氏は「車体の重さを半分にするのは炭素繊維だが、鉄とアルミの組み合わせでも3割は軽くできる。費用対効果を考えればアルミの採用は増える」とみている。    

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