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send ビール市場活性化の起爆剤 広がるクラフトブーム、大手4社で「泡戦争」も

2018年8月27日 月曜日

東京・代官山の「スプリングバレーブルワリー東京」。店を代表するクラフトビールとそれに合う料理のセット

低迷が続いてきたビール販売だが、ここに来て「クラフトビールブーム」「泡戦争」など市場に活性化の兆しが見え始めた。背景には、多少価格が高くても品質の良いビールを飲みたいという消費者ニーズに応えたビール各社の工夫や、2026年のビール類の税率一本化を見据えた商品戦略がある。   手作り感が好評 7月末、東京・代官山にあるクラフトビール・レストラン「スプリングバレーブルワリー東京」。午後7時すぎ、250席ある店内は若い女性客やサラリーマンなどでにぎわっていた。 テーブルには茶色や琥珀(こはく)色などのビールが入ったグラスが並ぶ。 「この店が提供するビールはすべてクラフトビール。個性豊かで手作り感満載のビールは女性客に人気です」とキリン広報の兵頭俊昭さん(37)は話す。 キリンは14年に「クラフトビール戦略」を発表。15年に代官山と横浜に、17年に京都にビアレストランを開業。さまざまな種類のクラフトビール販売に力を入れてきた。 アサヒビールは1990年代からクラフトビールを手掛け、サントリーとサッポロビールは15年に実質参入した。 「ビール類にはビール、発泡酒、第3のビールと3種の税率がありますが、段階的に縮小し26年に350ミリリットル当たり54円強に一本化されます。販売の半分を占めるビールの税率が下がり、売れるようになりそう。クラフトビールに力を入れ、ビール見直しへの起爆剤にしたい」と兵頭さん。

クラフトは英語で「技」を意味する。元来、小さな醸造所が手作りするビールの意味だった。日本では定義はないが、大手各社は原料や製造法にこだわったビールとして本格的に販売に乗り出した。

「米国のビールの2割はクラフトビールが占めています。有力な醸造所で使われているホップがここで開発した『ソラチエース』なのです」。サッポロビール北海道原料研究センター(北海道上富良野町)の大串憲祐センター長(54)は語る。同研究センターでは何種類もの新ホップを開発してきた。 ビールの原料は、麦芽とホップと水だ。ホップは苦味や芳香を出し、泡立ちを良くし、雑菌の繁殖を抑える効果がある。   ホップ開発が鍵 研究センターがある上富良野町は、麦芽の元となる大麦とホップの両方を生産できる日本で唯一の自治体だ。ソラチエースは、同センターで1974年に交配し、84年に品種登録された。 今後ますます小ロットで手作り感があるビールが求められるのは確実。新ビールの鍵はホップの開発にかかっている。そのため「2、3年に1品種のペースで開発したい」と大串さんは言う。 上富良野町には4軒のホップ農家がある。研究センターから車で10分ほどに大角友哉さん(43)のホップ畑があった。

7月中旬には、ホップのツルは高さ5.5メートルの棚の最上部まで伸び、花が咲いていた。大角さんは今年、研究センターが開発した新品種である「フラノマジカル」60株を6月に畑に植えたばかり。

「ビールに使われるホップが収穫できるまで3年もかかる。地面から出る芽や葉を除去する作業はしんどくて苦労が多い」と大角さん。「でもフラノマジカルは期待できそうなので楽しみです」と屈託がない。 ビール大手4社が特に力を入れているのが泡立ちの良さだ。 「これはもう、泡戦争です」と話すのはサントリーホールディングス広報の山田峰宏さん(37)だ。同社はクリーミーな泡を神泡と称してプロモーションを展開中だ。 「泡はビールの酸化を防ぎます。当社は缶ビールに装着するだけできめ細かく、消えにくい泡を作る専用サーバーを開発しました」と言う。 アサヒは今年、主力の「アサヒスーパードライ」に泡が長持ちする新商品を投入。サッポロも主力の「サッポロ生ビール黒ラベル」に泡が長持ちする工夫を凝らした。 昨年から各社の投入が相次いだのがアルコール分が高いビールだ。従来は5%だが、7~9%にしている。高アルコールの缶酎ハイ人気に続き二匹目のどじょうを狙っているようだ。

フジサンケイビジネスアイ

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