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send ネット証券、「脱手数料」急ぐ 収益低迷打開へ多角化 地銀提携や対面強化

2019年9月30日 月曜日

株式売買の際に証券会社に支払う委託手数料が完全自由化されてから10月1日で20年となる。インターネット証券の台頭で手数料の値下げは急速に進んだ。だが、規制緩和を通じて国民の貯蓄を投資へと振り向ける狙いは思うように進んでいない。最近は個人投資家の売買低迷で収益の落ち込みが目立ち、ネット証券は手数料に依存しないビジネスモデルへの転換を迫られている。   若者ら顧客基盤拡大 「店舗にわざわざ行かなくても、スマートフォンがあれば十分ですね」。東京都内に住む男性会社員(40)は昨年、スマホで少額から株式売買ができるネット証券を利用し始めた。投資額は毎月1万円。幼い2児を抱えて余裕資金は限られ、増額する予定はない。 完全自由化が実施されたのは日本経済がバブル崩壊の後遺症に苦しんでいた1999年10月。金融システム改革の一環で、日本の市場をニューヨークやロンドンに並ぶ国際金融市場として復権するのが狙いだった。 完全自由化を機にネット証券の新規参入が相次ぎ、激しい値下げ競争が起きた。東京証券取引所によると、証券会社が受け取った手数料の売買代金に占める割合は、自由化前の99年3月期は0.36%だったが2019年3月期は10分の1の0.03%まで低下した。ただ対面型の証券会社では目先の手数料を得るため顧客に必要以上の取引を促す「回転売買」が疑われるケースも頻発。08年のリーマン・ショックなども投資家心理を大きく冷え込ませた。 その後、株式市場は第2次安倍政権の経済政策で息を吹き返したように見えるが「官製相場」の色合いも強く、個人投資家の買い場が奪われているとの懸念も根強い。「デフレが続いたことで、貯蓄から投資は遅々として進まなかった。若者の成功体験が必要だ」(日本証券業協会の鈴木茂晴会長)との指摘もある。 このため、ネット証券は地方銀行など他社との提携や対面ビジネスの強化を含め、多角化に動き始めた。 最大手のSBI証券は顧客基盤の拡大に向けて約30行の地銀と提携し、地方に活路を求めている。また、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携し、若年層向けに「Tポイント」で株式が買えるサービスを今春始めた。   「株高の恩恵に陰り」 楽天証券は資産運用設計を手掛ける複数企業と業務委託契約を結び、顧客の資産形成を対面でサポートする体制を整えている。契約先の一つ「ガイア」(東京)の中桐啓貴社長は「顧客の資金を増やすには5年、10年単位の時間がかかる。長期的な信頼関係が欠かせない」と指摘する。 カブドットコム証券は金融事業の強化を目指すKDDI(au)からの大型出資を受け入れた。斎藤正勝社長は「証券は構造不況に陥っている。経済政策による株高の恩恵は陰りが見えてきた」と先行きに懸念を示す。 暗号資産(仮想通貨)交換業者を昨年買収し、暗号資産ビジネスの米国展開も計画するマネックスグループの松本大社長は「日本株の市場は、本当に閑散としている。委託手数料以外を強くしないといけない」と語る。松井証券も、金融とITが融合した「フィンテック」を手掛けるベンチャー企業など外部との連携を積極的に進める計画だ。

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