就活お役立ちビジネスニュース

send トヨタ苦慮「三角関係」の行方 “宿敵”スズキとダイハツ、競争と協調の線引きは?

2016年11月30日 水曜日

  bsa1611300500002-p1   国内軽自動車市場で長年覇権を激しく競い合ってきた“宿敵”同士のスズキとダイハツ工業の今後の関係が自動車業界の新たな焦点に浮上している。ダイハツを完全子会社化したトヨタ自動車が10月、スズキとの業務提携に向けた検討に入ったからだ。スズキとダイハツは軽販売で激しくシェアを争うほか、アジアなど海外市場でも小型車で激突する。競争と協調領域をどう線引きし融和を果たせるかがトヨタとスズキの提携の行方を左右しそうだ。   「ライバル関係続く」   「トヨタとの提携内容がどうなるか分からないが、スズキはスズキ、ダイハツはダイハツという関係の中で、切磋琢磨(せっさたくま)する」   スズキの鈴木俊宏社長は11月4日の記者会見で、トヨタとの提携がまとまっても、スズキとダイハツのライバル関係は続くとの認識を示した。実際に、提携検討入り後も、両社の“ガチンコ”勝負は続いている。   11月9日にダイハツが発売した新しい小型ワゴン車「トール」。広い室内空間と軽自動車並みの小回りの良さが特徴で、子育て世代の需要を見込むが、その分野の最大の競合となるのはスズキの「ソリオ」だ。  

ソリオは2011年1月の投入以降、国内の月販平均が安定的に2500台を超える人気ぶりで、累計の販売台数は今年10月末までに20万台を突破している。

  新車の開発には少なくとも4年程度かかるとされる。今回のダイハツの新型車はもちろん、トヨタがスズキと提携交渉入りする前に検討が始められており、それが計画通りに投入されただけで、市場の人気分野でぶつかるのは当然といえる。しかし、トヨタとスズキの提携交渉が具体化してくると、最大のライバル同士だけにダイハツとスズキの関係は、トヨタを挟んで複雑になりかねない。   主力とする軽開発では互いに燃費やデザイン、新たなコンセプトを含めて激しく競い合う。しかも、トヨタの完全子会社となったダイハツは、グループの小型車開発を中心に担うことを任されたばかり。ダイハツの三井正則社長は「世界で今後増えるのは小型車だ」とし、ダイハツが中心となって開発した小型車をアジアなどに投入する方針だ。   だが、新興国での小型車展開を強化すればするほどスズキと競合する機会は増える。とくに難しいのがインド市場だ。スズキが5割弱の圧倒的なシェアを持つ一方、トヨタグループは5%弱と販売に苦戦している。  

スズキとダイハツの間をトヨタはどう取り持って行くのか。豊田章男社長は10月12日にスズキとの提携協議入りを発表した会見で「私共の判断・決断で多くのステークホルダー(利害関係者)が影響を受ける」と述べ、提携交渉は、ダイハツとの関係なども踏まえ、慎重に検討していく考えを示した。

  先進技術で規格作り   スズキとの提携に向けた協議では、自動運転などのITや環境対応車、安全技術といった先端分野での協力検討が最大の主眼。スズキはこうした技術の開発が遅れており「トヨタの技術を共有する」(鈴木修会長)のが狙いだ。一方、トヨタは、競争が激化する先進技術でリードするため、規格作りに向けた仲間を増やし「日本連合」を構築したい考えだ。   菅義偉官房長官は提携発表翌日の10月13日の会見で、こうした目標を下敷きとしたトヨタとスズキの提携協議開始について「日本の自動車産業の競争力強化につながるよう、検討が進むことを期待したい」と述べた。   政府の大きな期待も背負うトヨタとスズキが、競争力強化という大きな目的のために協議をまとめあげるには市場の競合関係の調整を避けて通れない。ダイハツとの折り合いという難問は解けるのか、両社の提携に向けた本気度が試されている。(今井裕治)  

フジサンケイビジネスアイ

就職コンサルナビ

イノベーションズアイ