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トヨタ最高益、収益力断トツも…新興国で伸び悩み 米国頼みの構造に懸念
2015年11月6日 金曜日

トヨタグループの1~9月の世界販売台数は749万台。排ガス不正問題の対応に苦しむライバルの独フォルクスワーゲン(VW)を尻目に、4年連続の年間首位に近づいている。米国などでは、VWのブランドイメージも低下しており、「他メーカーを選ぶ消費者が増える」(大手幹部)可能性が高い。
トヨタの好調の要因の一つは、規模を追わない姿勢を貫いてきたことだ。豊田章男社長は「トヨタが規模に興味がないというのは嘘。ただ、数値目標を言うと(会社が)そっちに動く」と述べ、慎重な姿勢を示してきた。これは、拡大路線がリーマン・ショック後の赤字転落や世界的なリコール(回収・無償修理)問題につながったとの反省からだ。規模拡大と距離を置き、既存設備の稼働率や生産性向上などに努めたからこそ、現在の高収益体質がある。 もちろん、トヨタに死角がないわけではない。一部の新興国では既に販売の減少がみられる。新興国向け戦略車「IMV」の新型車を投入したタイやインドネシアでの1~9月の販売台数は、前年同期と比べ2割程度落ち込んだ。好調が続いていた中国でも、10月は7カ月ぶりに前年割れした。中南米やアフリカでも伸び悩む。
中国の景気減速が業績にそれほど影響しないのは「販売台数がVWほど多くない」(幹部)という理由もある。 好調な米国市場も「堅調に推移している」(大竹常務役員)とはいえ、年内に利上げが行われれば、ローン金利の上昇などを通じて新車販売にブレーキがかかる恐れもある。 トヨタが12月に発売する新型「プリウス」は、商品力強化を目的に進めてきた、車台などを一体開発して性能を高める新手法「TNGA」を採用した最初のモデルだ。メキシコや中国では、需要の変動に合わせた生産ができる新工場の建設に乗り出している。 これらの課題を解決して持続的に成長できるか、トヨタの地力が問われている。