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send トヨタ最高益、収益力断トツも…新興国で伸び悩み 米国頼みの構造に懸念

2015年11月6日 金曜日

  bsa1511060500003-p1   トヨタ自動車が5日発表した2015年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比8.9%増の14兆914億円と、中間期として8年ぶりに過去最高を更新した。本業のもうけを示す営業利益や最終利益も過去最高となった。ただ、アベノミクス効果による円安進行が業績を押し上げている側面もある。米国頼みの構造は続いており、ここにきて新興国での販売が伸び悩むなど、課題も浮上している。   「中国の景気減速や原油安の影響がある中近東など(の販売)が弱含んでいるので慎重な見通しを立てた」。トヨタの大竹哲也常務役員は同日の会見で、先行きをこう見通した。   15年9月中間期は、営業利益が17.1%増の1兆5834億円、最終利益が11.6%増の1兆2581億円。販売台数減などが1150億円の減益要因となったが、米ドルに対する円安など為替変動の影響が利益を3050億円押し上げた。原価改善も進み、大幅な増益を達成した。   一方、16年3月期の連結業績予想は、売上高を前期比1.0%増の27兆5000億円と、従来予想から3000億円下方修正した。グループ販売の見通しも1000万台と従来予想から15万台引き下げた。営業利益や最終利益は従来予想を据え置いている。  

トヨタグループの1~9月の世界販売台数は749万台。排ガス不正問題の対応に苦しむライバルの独フォルクスワーゲン(VW)を尻目に、4年連続の年間首位に近づいている。米国などでは、VWのブランドイメージも低下しており、「他メーカーを選ぶ消費者が増える」(大手幹部)可能性が高い。

  トヨタの好調の要因の一つは、規模を追わない姿勢を貫いてきたことだ。豊田章男社長は「トヨタが規模に興味がないというのは嘘。ただ、数値目標を言うと(会社が)そっちに動く」と述べ、慎重な姿勢を示してきた。これは、拡大路線がリーマン・ショック後の赤字転落や世界的なリコール(回収・無償修理)問題につながったとの反省からだ。規模拡大と距離を置き、既存設備の稼働率や生産性向上などに努めたからこそ、現在の高収益体質がある。   もちろん、トヨタに死角がないわけではない。一部の新興国では既に販売の減少がみられる。  

新興国向け戦略車「IMV」の新型車を投入したタイやインドネシアでの1~9月の販売台数は、前年同期と比べ2割程度落ち込んだ。好調が続いていた中国でも、10月は7カ月ぶりに前年割れした。中南米やアフリカでも伸び悩む。

  中国の景気減速が業績にそれほど影響しないのは「販売台数がVWほど多くない」(幹部)という理由もある。   好調な米国市場も「堅調に推移している」(大竹常務役員)とはいえ、年内に利上げが行われれば、ローン金利の上昇などを通じて新車販売にブレーキがかかる恐れもある。   トヨタが12月に発売する新型「プリウス」は、商品力強化を目的に進めてきた、車台などを一体開発して性能を高める新手法「TNGA」を採用した最初のモデルだ。メキシコや中国では、需要の変動に合わせた生産ができる新工場の建設に乗り出している。   これらの課題を解決して持続的に成長できるか、トヨタの地力が問われている。

フジサンケイビジネスアイ

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