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send デル戦略転換、PC市場激震 国内間接販売を本格展開、シェア拡大へ

2016年2月3日 水曜日

  bsj1602030500004-p1       bsj1602030500004-p2     日本のパソコン市場で米デルが攻勢に打って出る。これまでの直販路線を大きく変更し、1月から代理店を通じて全国数千社の販売店で法人向けPCの販売を開始した。こうした間接販売ルートでの売り上げを2年以内に倍増させる方針で、現在10%程度の国内シェアの大幅拡大を目指す。パソコン市場は縮小傾向が続く中、東芝、富士通、VAIOが事業統合に向けた検討を進めるなど、環境の激変が予想される。デルの攻勢も業界再編に影響を与えそうだ。   法人向け態勢整備   「デルはディストリビューション(販売代理店)ルート以外の3割の市場においては存在感を発揮してきたが、残りの7割の市場では存在感がなかった。直販のイメージが強いデルは、(販売代理店に)むしろ敵と位置付けられてきた」と語るのはデル日本法人の松本光吉副社長。「そのイメージを払拭するとともに、代理店や販売パートナーが本気になって、デル製品を取り扱うことができる態勢を整える」と意気込む。   具体的には1月からダイワボウ情報システムとソフトバンクコマース&サービスの2社の販売代理店と連携。これまでもNTTデータなど特約店を通じた販売は行ってきたが、今後はそれ以外の法人向けPCについて、全て2社を通じて販売する態勢に切り替えた。  

これに伴い、販売店向けの支援も強化する。昨夏に設置した技術営業部門の人員を現在の約50人から倍増させる方針。数千社の販売店に対し、製品情報や販促ツールなどを提供するとともに、製品や技術に関するトレーニングの実施などを行う。

  さらに、法人向けの主力PC「Latitude」シリーズなどで在庫モデルを用意。従来は、受注した製品を中国・廈門(アモイ)の生産拠点で生産し、国内の販売店やエンドユーザーに納品していたことから、約2週間の納期が必要だったが、在庫モデルにより3営業日に短縮できる。また、2社の販売代理店との連携により、国内でユーザーの要求に合わせたカスタマイズも可能にする。   NECレノボグループや日本HPは国内に生産拠点を持ち、柔軟なカスタマイズに対応しているが、国内生産拠点を持たないデルは出遅れていた。今回の販売代理店との協業強化により、競合他社の動きに追随できるようになる。  

1月には都内と大阪市内で、販売店向けのフォーラムを開催。合計約500人の販売パートナー企業の幹部が参加し、関心の高さをうかがわせた。デルが、パートナーだけを対象にしたイベントを開催するのは、「日本に進出後、23年を経過して初めてのこと」(松本副社長)という。

  デルが戦略転換するのは、パソコン市場が大きく変化しているからだ。スマートフォンやタブレット端末の普及などもありパソコン市場は世界的に頭打ちの状況となっている。業界再編も加速しており、国内では2011年にレノボとNECが事業統合したほか、一昨年にはソニーがVAIOを分社化。富士通も今月1日にパソコン事業を分社化して富士通クライアントコンピューティングを立ち上げた。不正会計問題で揺れる東芝も分社化する予定だ。さらに東芝と富士通、VAIOは事業統合も検討する。  

 業界再編が加速

  グローバルでも再編が進む。米デルは、07年以降、買収戦略を加速。創業者で最高経営責任者(CEO)のマイケル・デル氏が13年に株式を買い取って非公開企業とすると、昨年半ばまでに2兆円規模の買収投資を行った。さらに昨年後半にはストレージ(記憶装置)世界最大手の米EMCの買収を発表。買収金額は670億ドル(約8兆円)とされ、IT業界最大の買収として話題を集めたばかりだ。米HPも日本法人は昨年8月、米本社も同11月に企業向け事業部門とプリンター・パソコン部門を分社化した。   1984年に米国で創業したデルは、低コストで販売できる直販によって急成長を遂げたが、パソコンだけでの成長には限界があると判断。買収戦略によって、セキュリティー、ネットワーク、ストレージ、仮想化といったソリューション製品群の品ぞろえを強化し、ハードウエアとソフトウエアをセットで法人向けに提供するビジネスに事業の軸足を移している。  

ソリューションビジネスでは、直販よりも販売代理店が顧客と密着して提案するモデルが適している。デルは世界で間接販売ルートを強化しており、米国では既に5割に達した。

  国内のパソコン市場は約6割が法人向け。その法人向け市場の約7割が販売代理店を通じたルートだ。ここに今まで存在感がなかったデルが攻勢をかけることは、競合他社にとってインパクトは強い。   国内のパソコン市場は首位のNECレノボ、2位の富士通、3位の東芝に続き、HPとデルが10%程度となっている。デルの戦略転換に加え、国内勢の再編の動向次第では勢力図が一変する可能性もある。(ジャーナリスト 大河原克行)

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