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send ソニー、成長事業に絶対の自信 復活信じる投資家…大荒れシャープとは対照的

2015年6月24日 水曜日

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【革新 ソニーの“苦闘”】(上)株主総会、平井社長が無配を陳謝

  2015年3月期の決算で電機大手各社が好業績となる中、2年連続の最終赤字に陥ったソニーは23日、東京都内で株主総会を開き、会社側が提案した取締役選任議案などを可決した。同期の年間配当は上場以来初の無配となり、議長を務めた社長の平井一夫は「株主の皆さまに深くおわびする」と陳謝。「改革と計画の実行に邁進(まいしん)する」と強調したものの、数字として表れていないだけに株主の不満は充満しつつある。ただ、足元では復活の兆しも出てきた。再建を急ぐソニーの苦闘を追う。   「原案通り可決されました」   ソニーの株主総会は目立った波乱もなく淡々と進み、約1時間半で終了した。今期は最終損益で3期ぶりの黒字転換を計画しており、平井は「復配を実現したい」と強調。だが、平井の表情は、最後まで硬いままだった。   理由の一つに、米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が、平井の取締役再任議案に反対するよう推奨したことがあったとみられる。議決権行使の詳細な結果は後日公表されるが、機関投資家の反対票により、平井に対する賛成率はある程度、押し下げられた可能性がある。  

ISSは今年から、資本の効率的な活用を示す指標、株主資本利益率(ROE)が5年間の平均で5%に満たない企業のトップ再任に反対している。ISSのエグゼクティブ・ディレクター、石田猛行は「多くの投資家が求めている最低水準で、満たせない経営者は役割を果たしていない」と語る。

  ROEは最終損益を株主資本で割って求める。過去5年間の実績をみると、前期までの2期連続を含めて4回も最終赤字となったソニーのROEは、13年3月期を除いてマイナス。ソニー株は昨夏、ROEの高さを主要指標の一つとして選定する株価指数「JPX日経インデックス400」の構成銘柄から外された。   日本を代表する製造業だったソニーの業績は、優良企業とはいえない状況だ。ただ、23日発表された有価証券報告書によると、平井の15年3月期の基本報酬は2億200万円だった。14年3月期は1億8400万円。ドルベースでは180万ドルで同じだが、円安で円換算額が増えた。10万株(1億1390万円相当)の自社株購入権(ストックオプション)も付与される。この報酬水準が果たして業績に見合うものかどうか、株主の間には疑問の声もくすぶる。   復活を目指す平井は総会で、今期から3カ年の中期経営計画のテーマに「高収益企業への変革」を掲げ、18年3月期にROEを10%以上に高めることを目標に定めたと改めて強調した。   bsc1506240500002-p2  

復活信じる投資家

  同じく15年3月期に最終赤字だったシャープが23日に開いた株主総会は大荒れになった。ソニーがそうならなかった背景には、株価の水準がある。ソニー株の23日の終値は3827円で、1年前の2倍超に上昇。復活を信じる投資家が増えつつあるのだ。   投資家が注目するのは、同社が「成長牽引(けんいん)領域」と位置づけるデバイス(電子部品)とゲーム、映画・音楽だ。   デバイス事業では、スマートフォンのカメラなどに組み込まれ、画像処理を行う半導体「イメージ(画像)センサー」で世界首位のシェアを持つ。副社長の鈴木智行は「技術は競合他社よりも2年くらい先行している」と絶対の自信を示す。車の自動運転向けなど、今後の用途拡大も見込まれている。   同様にプレイステーション(PS)を擁するゲーム事業は、インターネットの普及により、3月末時点で60カ国・6500万人以上の巨大ネットワークを手にするまでに成長。定額制サービスなどで安定収益を得られる強固な基盤を築いた。今年から映像・音楽のサービスも、このネットワークに統合し、PSブランドを用いる。ゲーム子会社、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の戦略・商品企画部部長、西野秀明は「ゲームだけではなく、あらゆる娯楽をお届けするという意思の表れだ」と話す。  

映画・音楽事業では、有料テレビの放送局を運営する「メディアネットワークス」分野を強化する。インドなどの新興国で成長余地が大きく、ソニー経営企画管理部ゼネラルマネジャーの斉藤義範は「本格的な収益源になっていく」と、今後の成長に自信をみせる。

  業績見通しは必達   「このタイミングで売るのか…」。今春、市場に驚きの声が広がった。4月1日、ソニーは保有するオリンパス株の半数に当たる1724万株を売却。468億円の譲渡益は今期の決算に計上される。年度替わりの初日に踏み切った株式売却に、市場関係者はソニーの黒字化に向けた執念を感じ取った。   成長軌道に乗るか、失速するかの踊り場に立つソニーにとって、今期の業績見通しは必達目標だ。ソニーは過去7年間で15回、業績を下方修正しており、もし同じ轍(てつ)を踏めば、中計で掲げた理想も危うくなる。   副社長兼最高財務責任者(CFO)の吉田憲一郎はこう強調している。   「失ってしまった市場からの信認を取り戻したい」(敬称略)

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