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send セブン&アイHD、新体制の前途は波乱含み カリスマ去って集団指導体制に

2016年5月27日 金曜日

  bsd1605270500001-p1   セブン&アイ・ホールディングスが26日、都内で株主総会を開いた。新社長に昇格する井阪隆一氏(58)らを取締役に選任する議案が賛成多数で承認され、新たな経営体制がスタートした。カリスマ経営者と呼ばれた鈴木敏文元会長兼最高経営責任者(83)が名誉顧問に退き、24年ぶりの経営トップ交代となった。   同日、井阪氏と新設の副社長に就いた後藤克弘氏(62)、中核子会社セブン-イレブン・ジャパンの社長に就任した古屋一樹氏(66)の3人がそろって都内で会見を開いた。井阪氏は「新経営陣が“一枚岩”となって経営にあたる」と強調し、集団指導体制でグループをまとめていく方針を示した。   セブン-イレブン・ジャパンの社長だった井阪氏退任を主張するなど、人事を混乱させた責任を取る形で鈴木氏が退任。鈴木氏に賛同した社長兼最高執行責任者だった村田紀敏氏(72)も退任し、顧問に就任した。   井阪氏は会見で、今後100日をめどにグループの成長戦略と構造改革案を策定する方針を表明。店舗とネット通販が連携する「オムニチャネル」のてこ入れも急ぐ考えだ。業績不振が続くスーパー「イトーヨーカ堂」や、百貨店「そごう・西武」の立て直しも喫緊の課題となる。  

セブン&アイの経営体制をめぐる混乱はようやく収束したが、カリスマが去った後の新体制の前途は波乱含みだ。

  人事案で鈴木氏に注文をつけたセブン&アイ大株主の米投資ファンドのサード・ポイントは井阪氏の経営手腕を高く評価する。だが一方で、不振が続く総合スーパーのイトーヨーカ堂やそごう・西武への対応では、大株主と新体制との間で考えが異なり、新たな対立も懸念される。業績を牽引(けんいん)するコンビニ事業も、業界再編で環境が激変。今後も業界首位を維持し続けていくのは簡単ではない。   「業態論で全てがダメとは考えていない。地域での役割や存在意義を精査していきたい」 26日の会見で井阪氏はイトーヨーカ堂やそごう・西武の改革についてこう考えを述べた。強力なリーダーシップでトップダウンの経営を推し進めてきた鈴木氏のもと「本音で議論できない面もあった」(井阪氏)として、セブン&アイと主要子会社とが定期的に話し合う場を設ける考えも示した。   鈴木氏が強力に推し進めた店舗とネット通販を融合させるオムニチャネル戦略は「リアル店舗だけでは取り残される。真っ正面から取り組む」として基本的に路線を踏襲する考えだ。  

改革めぐり新たな対立も

  入社からコンビニエンスストア事業のみに携わってきた井阪氏のグループトップとしての経営手腕については、26日に総会に参加した株主から「未知数」との声が多く聞かれた。井阪氏を解任するとした鈴木氏を支持した役員も残っており、新体制では、まず社内融和を優先する考えだ。   だが、火種はくすぶる。世襲の動きをみせたとして鈴木氏を批判し、結果的に退任に追い込んだサード・ポイントは、不採算店40店を閉鎖するとしているイトーヨーカ堂の改革を不十分と指摘。そごう・西武もグループからの早期切り離しを求めている。   基本的に鈴木氏の路線を踏襲し、巨大流通グループの改革を進める考えの井阪氏と、経営資源をコンビニに集中させるように求めるサード・ポイントの描く未来は異なっている。   井阪氏は、新たな構造改革案とグループ成長戦略を策定する考えも打ち出したが、改革の具体化やスピードをめぐり、井阪氏、サード・ポイント、さらには鈴木氏を支持するグループの間で新たな対立が起こる懸念も拭いきれない。  

業界ダントツで盤石のコンビニ事業にも懸念がないわけではない。ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが26日、それぞれ株主総会を開き、経営統合案を承認。業界3位のファミリーマートと、ユニーグループが傘下に置く4位サークルKサンクスとの合計で国内店舗数は約1万8000店と、ローソンを抜き、首位のセブンに迫る規模となる。

  商品開発力やATMを軸とした銀行業への参入などによって、これまでセブンが築いてきた顧客基盤の優位性は「鈴木氏の退任だけでは簡単には揺るがない」(大手コンビニ幹部)との見方は多い。ただ、カリスマ経営者が抜けた後、新経営陣がこれまでと同じような成長軌道を描けるかは未知数だ。(永田岳彦、大柳聡庸)

フジサンケイビジネスアイ

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