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send ステーキで“ちょい飲み”対抗 ラーメン「幸楽苑」が他社FC展開の奇策

2018年1月22日 月曜日

開店を記念して店舗前でポーズをとる関係者。ペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長(左から3人目)と幸楽苑HDの新井田傳社長(同4人目)=2017年12月、いきなりステーキ福島太平寺店   大手ラーメンチェーン「幸楽苑」を展開する幸楽苑ホールディングス(HD)が「背水の陣」を敷いた。業績好調のペッパーフードサービス(PFS)と組み、人気上昇中で業態が異なるステーキチェーン「いきなり!ステーキ」のフランチャイズ(FC)展開を開始。幸楽苑はライバルの「日高屋」を運営するハイデイ日高に“ちょい飲み需要”の対応などで後れを取り、2017年9月中間連結決算では株式公開以来20年間で初めて営業赤字に転落するなど苦境にあえぐ。外食大手が他社ののれんを借りる“奇策”は、起死回生の一手となるのか注目を集めている。   経営文化を吸収 「これまでムダが多かった。勢いがある『いきなり!ステーキ』の経営文化を吸収したい」 昨年10月27日、幸楽苑HDの新井田傳(にいだ・つたえ)社長がPFSとのFC契約発表会見で述べたコメントが、同社の現状を余さず物語っている。 同社は、福島県会津若松市で1954年に創業した「味よし食堂」が出発点。東日本中心の店舗展開から全国へ広げ、約550店舗を運営する大手に成長したが、一方で、エリアによっては自社の店舗同士が競合する状況も起きていた。 外食業界では2014年ごろから、食事だけでなく、お酒を軽く飲みたい客の取り込みを狙う“ちょい飲みシフト”が目立ち始め、牛丼チェーン「吉野家」の「吉呑(の)み」や、すかいらーくグループの「バーミヤン」によるボトルキープサービスなどが注目を集めた。

しかし、この波に乗れなかったのが幸楽苑だ。郊外のロードサイド店舗が多い幸楽苑は、利益率の高いアルコール商品を伸ばすことが難しく、駅前・繁華街が中心の日高屋に「稼ぐ力」で水をあけられた。

このため15年5月、長らく看板商品だった「290円ラーメン」の販売を終了し、従来の低価格路線と決別。これが奏功して16年3月期決算は前期比約8%の営業増益にこぎつけた。 しかし同年10月には、チャーシューの仕込み作業中に誤って切断した従業員の指の一部がラーメンに混じる異物混入問題が発生。深刻な客離れを招き、17年3月期はついに、売上高でもハイデイ日高の後塵(こうじん)を拝する結果となってしまった。   ウィンウィンの関係 一連の苦境を脱するため踏み切ったのが、客単価が高く収益性に優れた「いきなり!ステーキ」のFC出店契約だ。第1弾として、昨年12月に福島市内のとんかつ店を「いきなり」に業態転換した。年度内に計6店舗の看板を掛け替える。 さらに、西日本を中心に物流の効率が悪く、採算がとれない52店舗を閉鎖すると決断。京都工場(京都府京田辺市)のリンガーハットへの売却も決めた。 「いきなり!」を展開するPFSは「国内1000店を目指す」(一瀬邦夫社長)考えで、今年は地方・郊外へのFC出店を加速し、店舗数を400へと一挙に倍増させる計画を明らかにしている。その一翼を担う幸楽苑にとっても「ステーキ業態は近隣の既存店と競合しないため、拡大を目指すPFSとウィンウィンの関係」(証券アナリスト)になる。

52店の閉鎖に伴う特別損失の計上で幸楽苑HDは18年3月期に最終赤字6億4000万円を見込むが、来期以降は「不採算店を閉じることで4億円の赤字が解消」(新井田社長)する見通し。「いきなり!」のFC展開を軌道に乗せ、黒字転換を果たすのが当面の課題だ。

もっとも、本業のラーメンチェーンを再生するためには、業界共通の課題となっている食材コストや人件費の高騰をどう解決するかがカギとなる。売上高・利益とも幸楽苑を抜き去り、14年連続の増収増益を果たしたハイデイ日高でさえ、17年3~11月期の営業利益は前年同期比1%増と伸びが鈍化している。 幸楽苑は今後の新規出店について、物流を効率的に回せる東北・関東地方に絞った上で、運営コストが低い小型店やフードコート店にシフトする方針だが、早期再生への道筋は決して平坦(へいたん)ではない。(山沢義徳)

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