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send シティバンク銀行、厳しい査定免れず 個人部門売却、見通せぬ着地点

2014年10月6日 月曜日

bse1410060500003-p1    シティバンク銀行の個人部門売却の1次入札が先月行われ、応札した6銀行のうち新生銀行や三井住友信託銀行、三井住友銀行など4行程度に絞り込まれた。シティは11月にも2次入札を行い、年内に売却先を決める考えだが、各行は現行サービスを継続しにくい赤字事業の買収には厳しい条件をつけるとみられ、売却の着地点には不透明感が漂う。    「ようやく本当の交渉ができる」。1次入札を通過した銀行の幹部はこう本音を漏らす。    それもそのはず。シティは10行超の金融機関に個人部門と傘下のクレジットカード会社の売却を打診したが、実はその段階では詳細な資産内容や売却の条件などの詳しい情報を開示していない。売却事業の詳細を知るため、「事業価値を勝手に想像し、とりあえず買収金額を提示した」のが1次入札の内実だ。    次の入札に進む銀行はようやくデューデリジェンス(財務や法務などのリスクを適正に把握するために精査する作業)に入る。資産価値を査定し、買収の条件や価格を示す予定だが、今の段階ですでに「条件はかなり厳しくなる」「隠れた問題を抱えているような可能性も念頭に入れている」などと後ろ向きな声が幹部らから聞かれる。    なぜなら、シティが本当に魅力的な“買い物”であるかどうかを見極めかねているからだ。   読み切れぬ真価    約1兆円規模の外貨預金と、世界200カ国以上の現金自動預払機(ATM)で日本の口座に接続するネットワーク。こんな魅力がある半面、各行は「実際、どの程度の富裕層がいるのか」(銀行首脳)と気をもむ。    シティは2004年に金融庁から富裕層向け業務でマネーロンダリング(資金洗浄)が疑われて処分を受け、富裕層向けプライベートバンキング(資産管理サービス)から撤退した。    これにより資産数億円以上の富裕層はさほどおらず、実は数千万円程度が中心で大手銀とは重複が多い可能性もある。富裕層の顧客を増やしたい日本の銀行にとって、シティの個人部門の魅力は薄れるというわけだ。    買収後の個人部門に外貨預金や顧客が残るのかも疑問だ。シティのシステムから個人部門を引き離せば、便利な海外ネットワークが使えなくなり、外貨預金や顧客の流出につながりかねない。唯一システム会社が同じ新生銀を除くと、継続には多額の開発コストやネットワークの使用料がかかってしまうとの見立てだ。    そもそも、赤字事業の個人部門について、「なぜもうからないのかを分析しないといけない」(銀行首脳)。コスト増の要因の一つとなっている33の拠点や高報酬の人員は、「必要ない」のが入札を通過した銀行側の本音だ。各行は売却前の店舗閉鎖や人員削減を条件にするとみられる。シティにとっては厳しい交渉になる。   買い手主導の足抜け    とはいえ、シティは個人部門からの撤退を変わらぬ方針としているという。買い手が見つからなければ撤退を余儀なくされるが、資産の一括処分や膨大な数の預金者への返済は混乱を招きかねない。金融庁からは「顧客に迷惑をかけないようにするのが足抜けの条件」(関係者)と示されているという。    2次入札を前にある銀行首脳は「すべて引き受けるなら、シティから持参金がほしいぐらい。シティも売却で利益が得られるとは思っていないだろう」と強気だ。シティは“名誉ある撤退”を念頭に譲歩するのでは、との見方が強い。(万福博之)

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