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コンビニ再編、三菱商事の思惑 ローソンとミニストに統合観測 鍵握るのはあの流通大手
2016年10月24日 月曜日


店舗数は取引先との交渉力に影響し、調達力に直結する。そればかりか大手メーカーと組むプライベートブランド(PB、自主企画)商品の開発力をも左右しかねない。
各社は集中して出店することで店舗間の距離を短くし、配送などの物流コストの削減につなげている。こうした事業戦略を進める上でも、店舗数という規模のメリットは大きい。 ユニー・ファミリーマートホールディングスの上田準二社長は「規模は質につながる」とし、店舗数の拡大がサークルKサンクスとの統合を決めた理由の一つだと説明する。 「1足す1を2ではなく、それ以上にしていきたい」。9月9日に千葉県白井市で中堅のスリーエフと資本業務提携し、共同店舗をオープンさせたローソンの竹増貞信社長は提携の狙いをこう強調した。 共同店舗はスリーエフの店舗を、通常のローソンの店舗に改装。ローソンの商品に加え、店内で焼く「やきとり」などスリーエフの人気商品も取りそろえたのが特徴だ。 ローソンは中国地方を地盤とするポプラとも資本業務提携し、11月にも同じような共同店舗を展開する。緩やかな提携を活用し、規模の拡大を目指す。 それでも、サークルKサンクスと経営統合したファミリーマートに店舗数で抜かれ、3位に後退したローソンの危機感は強い。とりわけローソンの親会社である三菱商事は、「流通業界は一段の成長余地がある」(首脳)とし、コンビニ事業で攻勢をかける構えだ。 今年6月には三菱商事出身の竹増氏がローソンの社長に就任。さらにローソンへの出資比率を約33%から50%超に引き上げ、子会社にすることを決めた。資源開発投資で損失を計上し16年3月期は巨額の最終赤字に転落したが、コンビニ事業への関与を強め収益力を高める。「規模が生きる部分はあるので、コンビニ店舗数の拡大を諦めたわけではない」。三菱商事の幹部はこう話す。規模を拡大するため、業界内では三菱商事が「さらなる再編を仕掛けるのでは」(大手コンビニ幹部)とささやかれる。
イオンに注目 とくに注目されているのが、ミニストップを傘下に持ち、ローソンと同じく三菱商事が筆頭株主のイオンの動向だ。 三菱商事の幹部は表向き「ミニストップで具体的な動きはない」と語るが、その言葉をそのまま受け取る向きは少ない。 というのも、既にローソンとミニストップは一部サービスで提携し、親密な関係にあるからだ。イオンとローソンは12年6月、チケットなどを購入できるローソンのマルチメディア端末「Loppi(ロッピー)」をミニストップの全店舗に順次展開することで合意。ミニストップの店舗でもロッピーを使って、ローソンと同じようにコンサートや映画のチケットを購入できるようになった。 ローソンの玉塚元一会長兼最高経営責任者(CEO)は10月12日、都内で記者団からミニストップとの関係を聞かれると、「ロッピーが(ミニストップにも)入っているから仲良し。手をつないでデートに行き始めたばかり」と、再編に向け含みを持たせた。 イオンにとってミニストップは「他社に比べ(規模で)見劣りするが、グループにとって重要」(首脳)な存在だ。だが、規模で圧倒的に不利な立場にあるミニストップの収益力を単独で改善するのは難しい。さらなる業界再編の鍵は、イオンが握っているといっても過言ではない。(大柳聡庸)