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send コンビニの「外食市場」侵食止まらず チキン、コーヒー、ドーナツ…次々と投入

2015年1月9日 金曜日

bsd1501090500005-p1 セブン-イレブン・ジャパンが投入するドーナツ(右)と、100円コーヒーの専用機械(左)   最大手セブン-イレブン・ジャパンをはじめコンビニエンスストアによる外食市場への侵食が止まらない。各社はチキン、コーヒー、ドーナツなどの新商品を店頭に相次いで投入、新たな需要の掘り起こしに力を入れる。店舗は合計5万店に上り、原則24時間営業するなど顧客との接点が多いだけに、「本家本元」の外食専業企業などはコンビニの勢力拡大にいらだちを隠せない。対抗するため商品開発力やブランド力に磨きをかけ、需要を喚起する。顧客の奪い合いが激しくなりそうだ。   bsd1501090500005-p2   ■何でも投入 「チキン、コーヒー…。コンビニは何でも投入してくる。店舗数も多く、脅威だ」   ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)を展開する日本KFCホールディングス(HD)の近藤正樹社長は昨年11月に開いた9月中間決算の発表会見でこう述べ、いらだちを見せた。   同社は9月中間決算で、最終損益が7300万円の赤字(前年同期は1億円の黒字)に転落した。消費税増税の影響に加え、コンビニとの競合が収益を悪化させたとみられる。   コンビニは2013年以降、新規需要開拓のため、それまで提供していたチキンの「本格化」「高級化」に着手。ファミリーマートは同年秋、スパイスやハーブなど11種類を使った「ファミマプレミアムチキン」(190円)を発売した。   この大ヒットを受け、ローソンは「黄金チキン」(185円)を投入。セブンイレブンは、低カロリーの「揚げ鶏」(170円)が健康志向を背景に売れ筋となっている。   対する日本KFCの「オリジナルチキン」は240円と少し割高。近藤社長は「(外国産が主力のコンビニと異なり)国産チキンを使い、油なども含めて素材にこだわっている」と品質の差を強調する。   書き入れ時の14年クリスマス商戦も、銘柄鶏を使った「五穀味鶏プレミアムローストチキン」(5760円)など、上質感あるメニューで差別化戦略を展開。15年半ば以降には、ネットの予約販売受け付けを本格的に始め、顧客の利便性を高める。   一方、14年11月にカフェタイプの新業態店を神戸市にオープン。通常メニューに加え、コーヒーや紅茶、スイーツといったオリジナルメニューを充実させた。今後、立地条件を見ながら他地域での展開も視野に入れており、コンビニのいれたてコーヒー人気を取り込む狙いだ。   コンビニの店頭で100円から購入できるいれたてコーヒーは爆発的にヒット、コンビニの業績を牽引(けんいん)している。セブンイレブンは13年1月に投入。14年に入り、ファミリーマートとローソンも従来品を値下げする形で、相次いで100円コーヒーの提供を始めた。   セブンイレブンは、味わいを雑味のないものへと昨年10月にリニューアルしたことが消費者の支持を得て、3月から始まった14年度の累計販売が11月末で5億杯を突破。12月に年間販売目標を従来の6億杯から7億杯へ引き上げた。   こうした中、コンビニ旋風の悪影響を受けていないのが、コーヒー専門店だ。スターバックスコーヒージャパンの14年9月中間期は、売上高が前年同期比9.9%増の700億円、営業利益が20.3%増の88億円といずれも過去最高を更新した。   主力商品「ラテ」の価格は、標準のトールサイズが399円と高めだが、「コンビニのコーヒーでファンの裾野が広がり、本格 的なコーヒーを飲みたいと思うようになった消費者がスタバに流れた」(アナリスト)とみられる。   ■缶コーヒーに打撃 対照的にあおりを食ったのは缶コーヒー。「コンビニコーヒーの登場で、市場を5%ほど食われたとみている」と嘆くのはサントリー食品インターナショナルの関係者。   巻き返すため14年9月、「プレミアムボス」(115円)を発売した。缶コーヒーの存在感を高めたいという狙いから、独自の新製法による「微粉砕コーヒー」をブレンドするなどしてコクを高めた。14年の販売目標300万ケース(1ケースは30本)をすでに突破、「400万ケース超の着地が見込める」ヒット商品となっている。   ドーナツでもコンビニと外食専業の戦いが始まった。   セブンイレブンは昨年11月、レジ横に設置した専用ケースに並べる形でドーナツを全国発売すると発表した。価格は100円からで、今年8月までに全国1万7000店に導入する。全国にある専用のパン工場で1日2回製造し、「フレッシュで高品質な商品を届ける」という。   調査会社の富士経済によると13年の外食産業のドーナツ市場は1173億円。大手専業ミスタードーナツの13年度の売上高は1030億円で、9割のシェアを占める。   圧倒的王者に挑むセブンイレブンだが、発表会見に臨んだ鎌田靖・常務執行役員は「あくまで独自に開発した」と、ミスドを意識したものではないことを強調。掲げた販売目標は16年度に6億個、600億円。金額は2年ほどでミスドの6割に迫る。しかも店舗数はミスドの1350(14年3月末時点)に対しセブンイレブンは1万7000。10倍以上の店舗網を生かして王者を脅かす存在になるのは想像に難くない。   ■流通業界、迫る変革の嵐 この「宣戦布告」にミスドを運営するダスキンの広報担当者は「(セブンイレブンの参入によって)消費者のドーナツへの接点が増え、市場の拡大につながる」と静観の構えだ。   ただドーナツ専業の技術力はあなどれない。14年4月発売の「ミスタークロワッサンドーナツ」は、米ニューヨークで人気のクロワッサン生地をオーブンで焼いた商品。価格は通常のドーナツの約1.5倍だが、1カ月で1000万個を売り上げた。   10~12月の期間限定販売した「N・Y・カップケーキ」(194円)もニューヨークでブームのカップケーキをモチーフに作った商品。若い女性を中心に「カワイイ」と評判だった。   「揚げる」ドーナツに対し、カップケーキは「オーブンで焼く」。同社は「新しくておいしく、話題になるものを提供していく」方針で、幅広い商品展開でセブンイレブンを迎え撃つ。他のコンビニが参入してくる可能性もあって、業界はミスドの「次の一手」を見守っている。   ひたすら膨張を続けるコンビニ。特にセブンイレブンは店舗とネットを融合させる「オムニチャネル戦略」を本格化。今秋にはオンライン注文を通じ、同じグループのそごう・西武やイトーヨーカドーで扱う商品を店頭で受け取れるようにする。見据えるのは、コンビニの店頭で何でもそろう時代。流通業界の変革の嵐が迫りつつある。

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