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send ウイスキー蒸留所、全国に続々 ハイボール人気追い風、消費増で地域活性化

2019年1月28日 月曜日

スコットランド製の蒸留器=2018年12月、北海道厚岸町

全国で小規模なウイスキー蒸留所の設立が相次いでいる。サントリーなど大手の製品と対比し、少量生産品は「クラフト」と呼ばれ、蒸留や、たる貯蔵を経て数年後の本格出荷を目指す。ハイボール人気で国内消費が増え、日本製は国際品評会で入賞の常連。英スコットランド、米国などと並び世界五大ウイスキーと称されるジャパニーズのブームに、新たな味わいを届けそうだ。地域貢献を図る動きもある。

  小規模でも高品質に ゴボ、ゴボ。甘い香りが漂う中、貯留タンクから原酒を注ぐ音が響く。昨年12月、氷点下の北海道厚岸町。堅展実業(東京)の蒸留所で「たる詰め」が行われた。たるは「パンチョン」という大型タイプで、日本に植生するミズナラ製。お香に似た香りのウイスキーに仕上がるのが特徴だ。 スコットランドのアイラ島産のスモーキーな風味の製品づくりが目標。アイラに似て冷涼、湿潤で海に近い厚岸を選び、2016年に開設した。既に約1200個のたるが熟成庫で長い眠りにつく。立崎勝幸所長(50)は「日本はモノづくりに真摯(しんし)。その伝統を守り、小規模でも常に高品質にしたい」と意気込む。 日本酒やビールを造る茨城県那珂市の木内酒造は16年、ウイスキーに参入した。今年6月ごろ、現在の約12倍に相当する年間12万リットルを生産できる新蒸留所が同県石岡市で稼働する。原材料の大麦の約4割に当たる80トンを同市内で調達。中に観光用見学コースを設ける。木内敏之副社長(55)は「地元の原材料にこだわりたい。多くの旅行客に来てほしい」と語る。

16年以降、他に山形県遊佐町の「遊佐」(運営会社・金龍)、滋賀県長浜市の「長濱」(同長浜浪漫ビール)、鹿児島県南さつま市の「マルス津貫」(同本坊酒造)などの各小規模蒸留所が稼働を始めた。

  輸出額10年間で11倍 低迷していた国産ウイスキーの出荷量は、炭酸水で割ったハイボールが流行し、08年に増加傾向に転じた。NHKは14、15年、ニッカウヰスキーの創業者夫妻を描いた連続テレビ小説「マッサン」を放送。日本洋酒酒造組合によると、17年の出荷量は約13万7000キロリットルと10年前に比べ倍増した。 17年の輸出額は約136億4000万円(国税庁調べ)と、10年間で11倍超。寒暖差の大きい気候が生むまろやかさ、緻密なブレンド作業などが海外の評価につながった。国際コンクール入賞は大手に限らない。埼玉県秩父市のベンチャーウイスキーのイチローズモルトは受賞を重ね、日本のクラフト蒸留の名を高めた。 一方でウイスキーは熟成期間が長く、酒類の中では設備投資負担が重いとの指摘も。ウイスキー評論家の土屋守さんは「高評価は努力の結果。観光や雇用で地域も活性化できる。機運を盛り上げてほしい」と期待する。

フジサンケイビジネスアイ

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