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send インフラ点検に新技術続々 進む老朽化、労働力不足に備え

2017年6月14日 水曜日

ダムや橋梁(きょうりょう)などのインフラを点検するニーズが拡大する中、作業員の不足を補う新技術の導入機運が高まっている。大林組は遠隔操作で水中の構造物を点検できるロボットを開発し、首都高速道路やJR各社も人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などを活用して検査業務の効率化を進める。国土交通省は、21日にイタリアで開幕する先進7カ国(G7)交通相会合で日本の“インフラ・メンテナンス”の新技術を紹介する意向で、世界の注目も集めそうだ。

大林組が5月に開発した点検ロボットは、ダムのひび割れの有無や程度を調べる際に威力を発揮。水中で撮影した構造物の映像を船上から遠隔で鮮明に確認できる。 潜水士が水中に潜り休息を挟み点検する従来の方法では、作業時間や潜水の深さに限界があった。水深100メートルまで潜水可能なロボットなら連続で安全に作業できる。改良を重ね、2018年度の実用化を目指す。 首都高は7月、ITベンチャーや測量会社などと共同開発した維持管理の総合支援システム「インフラドクター」の運用を始める。点検車両を走らせながら道路の構造物にレーザーを照射し、対象物から反射した信号を基に3次元の構造物を膨大な数の点で描く。その「点群データ」を分析することで、コンクリートに剥離などの損傷があるかないかを見つける。 損傷の進行や改修時期を予測できるAIソフトを20年度をめどに開発。同社点検推進課の高野正克課長は「事前に損傷の度合いを把握すれば人を効果的に投入できる」と期待を込める。 JR各社も点検作業の改善に向けた研究に余念がない。JR西日本は約7億円でイタリア製の診断システムを購入した。カメラで線路を撮影して修理の是非を自動検知しデータを検査員に送る仕組みで、9月に山陽新幹線の軌道に採用。動力車で牽引(けんいん)し時速50キロで測定できるため、人が目視する従来のやり方より格段に早い。4、5年後の実用化を目指す。 技術革新を急ぐ背景には、高度経済成長期に大量に整備されたインフラの老朽化が進み更新の「山」が到来しつつあることがある。 国交省の試算によると、所管するインフラの補修・更新費だけみても13年度の約3.6兆円から増加し、20年後の33年度に約4.6兆~5.5兆円に達するだけに、保守・更新コストの圧縮につながる新技術の普及が急務。JR西の来島達夫社長は「将来の労働力不足に備えて線路、電気設備、車両(の維持管理)を機械化し仕事の仕組みを変えたい」と課題を投げかける。(臼井慎太郎)     ■インフラ点検をめぐる主な新技術の導入状況 大林組 ダムや橋梁などの水中構造物を遠隔操作で点検できるロボットを2018年度を目標に実用化 首都高速道路 7月から道路の維持管理支援システムを運用し、構造物を3次元で表し診断する活動などを展開 JR東日本 山手線の新型車両「E235系」などにセンサーやカメラを載せ運転しながら線路や架線を検査 JR西日本 線路を走りながら修理の是非を自動判定する点検車両を9月に山陽新幹線に試験的に導入

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