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send インターン、長期型本格化 異質な日本の採用活動に一石 ミスマッチ解消も

2016年8月8日 月曜日

bsg1608080500003-p1     2018年春卒業予定の学生向けの夏のインターンシップ(就業体験)が本番を迎えている。就業体験とは名ばかりで、本来の趣旨とかけ離れた「採用ツール」として独り歩きしてきた面も否めない。採用とインターンシップのあり方をめぐっては国が検討を始め、経済界も新たな試みに動くなど、再考の時期に差し掛かっている。   原則1カ月以上   野村証券は15日から北海道大、お茶の水女子大など4大学・1高専から計9人の学生を受け入れ、ほぼ1カ月におよぶインターンシップを実施する。1、2年生を対象に採用とは完全に切り離し、学生が就業意識を養う場として位置付ける。   15日~9月9日を2週間ごと前後期に分け、投資家向け資料の作成などの実務を体験する。参加学生には大学が単位を認定し、地方からの旅費や都内で通勤する交通費、宿泊費などは同社が実費負担する。   本格的な長期型インターンシップは同社としては初めて。採用課の堀直将課長は「証券会社の社会的意義を理解してもらい、働くことの意味をしっかり体験してほしい」と話す。  

主に3年生向けに「ワンデー(1日)コース」と称し、学生を“ふるい”にかけ、採用に直結する短期型が急増している中で、同社の試みは異例に映る。

  しかし、今夏のインターンシップ事情は例年と異なってくるかもしれない。学生の夏季休暇に合わせ、同社を含む17企業が1、2年生向けに長期型インターンシップに踏み切るからだ。実施企業は花王、三井住友銀行、全日本空輸など幅広い業種にまたがる。受け入れる学生数は野村証券が最多で、1社平均4.2人、計70人が本格的な就業体験に臨む。   仕掛け人は経済同友会だ。インターンシップを就活、採用と一線を画す「学びの一環」との立ち位置で、企業と学校の協力で人材育成に当たる「望ましい枠組み」を教育改革委員会がまとめ、これを実践に移す。(1)受け入れ対象は学部1、2年生(2)大学・高専が単位認定(3)期間は原則1カ月以上(4)受け入れ企業側が学生に実費相当を支給-を基本に、同委所属の17社が名乗りを挙げた。同時に、これに賛同した国公私立大と高専の計11校から参加を取り付け、産学連携の本格的なインターンシップの試みがスタートする。  

規模自体は同委の天羽稔委員長が「スモールスタート」と言うまでもなく、小さな一歩かもしれない。しかし、これを踏み台に来年は5社程度を加え、受け入れ学生を100人程度に増やす考えだ。これが確かな流れとして定着してくれば、企業への学生の理解も高まり、ミスマッチ解消にもつながる。新卒一括採用をはじめ国際的に異質な「ガラパゴス化」した日本の就職活動、採用活動に一石を投じる可能性もある。

  「学業優先」形骸化   インターンシップをめぐる最近の議論は、「学業」か「採用」かの1点に尽きる。しかし、6月下旬から合同説明会が相次ぐなど、本格的な就活に時間を残す3年生も浮足立たざるを得ない。その過熱ぶりに「学業優先」の建前論もどこ吹く風だ。7月から文部科学省、厚生労働省、経済産業省が採用とインターンシップのあり方について経済界も参加して検討を始めた背景にはこうした事情がある。   実際、文科省はインターンシップが採用に直接つながらないよう企業に求めている。経団連も同じで、採用活動のガイドライン(指針)で会員企業に5日間に満たない採用につながる形での実施を禁じている。しかし、会員でなければ指針に縛られず、採用の現場には指針の形骸化を指摘する向きも多い。  

これに対し、経団連は「指針が定める選考開始など採用活動日程と密接にリンクするため、インターンシップのみを切り離して議論はできない」(幹部)との姿勢を貫く。長期型の実践で問題提起した経済同友会とは対照的だ。学業か採用かというダブルスタンダードが併存し揺れ動くインターンシップをめぐる議論は、まさに正念場を迎えている。(鈴木伸男)

【参加企業17社】 デュポン、出光興産、花王、グラクソ・スミスクライン、凸版印刷、野村証券、三菱樹脂、キッコーマン、キッツ、個別指導塾スタンダード、シーエーシー、JFEスチール、全日本空輸、DIC、ニフコ、富士ゼロックス、三井住友銀行 【参加大学・高専11校】 北海道大学、小樽商科大学、お茶の水女子大学、新潟大学、九州大学、高知工科大学、上智大学、昭和女子大学、山口東京理科大学、一関高専、呉高専

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