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send イオンがPB改革 不評の「安さ重視」から転換 セブン&アイ追い上げ図る

2015年8月24日 月曜日

  bsd1508240500001-p1   流通最大手のイオンがプライベートブランド(PB=自主企画商品)「トップバリュ」の改革を急いでいる。これまではPBの基本となる「安さ」に重点を置いた商品を展開してきたが、PBにも「高品質」や「おいしさ」を重視するように変化した消費者のニーズに十分対応しきれておらず、高付加価値型のPBで先行するライバル、セブン&アイ・ホールディングス(HD)に後れを取ってきた。イオンは当面、鮮度にこだわった刺し身や牛肉などを切れ目なく売り出し、顧客に品質の変化を実感してもらい、ライバルの追い上げを図る構えだ。   「お客さまの(ニーズの)変化に十分対応することができず、全部が問題だった」。イオンの総合スーパー(GMS)事業を担うイオンリテールの岡崎双一社長は7月8日、東京都内での会見で反省の弁を述べた。   bsd1508240500001-p2   イオンは、昨年4月の消費税増税に伴って消費者が節約志向を強め、価格を重視した消費行動を取ると想定。メーカー品よりも価格が1、2割安いトップバリュをそろえて顧客を取り込もうとしたが、どの店でもトップバリュの商品ばかりが目立つ売り場となった結果、「買い物をする楽しみに乏しい」(千葉県内の60代の主婦)といった来店客の不評を買った。  

客足は遠のき、GMSを展開するイオンリテールの15年2月期の既存店客数は前期比で4%弱減り、連結営業利益は90.8%減の25億円と激減した。

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  生本マグロに自信   増税の影響を見越した戦略が、結果に結びつかなかった反省もあり、今年度はPBの魅力改善を具体化する商品を矢継ぎ早に投入している。   その象徴が、6月にトップバリュの一つとして売り出した「奄美生まれ生本マグロ」だ。品質や価格で天然物のマグロに引けを取らない商品として自信を持っており、イオンリテールの土谷美津子取締役は「築地の仲卸しや料理店の方など、プロに太鼓判を押してもらった味です」と胸を張る。   一つの商品だけでは改革が実を結ぶわけでは当然なく、2の矢、3の矢と魅力ある商品を次々と提供しなければ顧客は変化を実感できない。このため今春以降、「ギリシャヨーグルト」や「五島塩のローストビーフ/ローストポーク」といった付加価値を高めたトップバリュの新商品を続々投入してきた。  

今月6日には、環境配慮の認証を受けたノルウェーの施設が養殖したサーモンのPB品「グリーンアイ 生アトランティックサーモン」の取り扱い店を、従来の約400店舗からグループ約1200店舗に広げた。

  オランダに本部を置くNPO、水産養殖管理協議会(ASC)の認証表示がある刺し身や切り身として販売。ASC認証は稚魚の乱獲や水質汚染、劣悪な労働条件などを防いでいる養殖施設に与えられる。「認知度はまだ低いが(ASC表示のある商品は)今後伸びるはずだ」(土谷氏)と期待する。   イオンは今秋以降も、継続的に高付加価値型のPB商品を売り出し、変革を強くアピールしたい考えだ。   一方で、既存の加工品のトップバリュ商品も対象に、大規模なスクラップ&ビルドを進める。トップシェアを持つナショナルブランド(NB)商品に近い高品質で開発した既存品も含め、リニューアルしても販売目標に届かないと判断した場合は販売を取りやめる方針だ。厳しい基準で見直した結果、相当の数のトップバリュ商品が今年度中に姿を消す可能性もある。  

徹底した顧客目線へ

  「GMS改革はまだ道半ば」(イオンの岡田元也社長)と認めるように、遅ればせながらもイオンが攻守両面でPB改革を進める間に、ライバルのセブン&アイは先を行っている。   地域ごとに異なる食文化などに合わせて「ご当地」の味付けのメニューを売り出したり、売れている商品でも絶えず味の改良を重ね、価格以上の価値を生み出すのに余念がない。それによって既存顧客のリピートを増やしながら、新たな顧客の開拓にもつなげている。   セブン&アイの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)は「安かろう、まずかろうでは今は売れない。質の追求でPBに革命を起こした」と語り、他社との絶対的な差異化をセブンは図ることができたと自負する。   改革に向けたイオンの取り組みは、トップバリュの中長期的な方向性を描き切れていないなど物足りなさも残す。ライバルもあの手この手を繰り出す中で、消費者の足を自らの店舗に向かわせるには、徹底した顧客目線への転換が欠かせない。イオンのPB改革が成功するかどうかは、消費者に寄り添った商品や売り場づくりをいかに早く実現できるかにかかっているといえそうだ。(永田岳彦)

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