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イオンがPB改革 不評の「安さ重視」から転換 セブン&アイ追い上げ図る
2015年8月24日 月曜日


客足は遠のき、GMSを展開するイオンリテールの15年2月期の既存店客数は前期比で4%弱減り、連結営業利益は90.8%減の25億円と激減した。
今月6日には、環境配慮の認証を受けたノルウェーの施設が養殖したサーモンのPB品「グリーンアイ 生アトランティックサーモン」の取り扱い店を、従来の約400店舗からグループ約1200店舗に広げた。
オランダに本部を置くNPO、水産養殖管理協議会(ASC)の認証表示がある刺し身や切り身として販売。ASC認証は稚魚の乱獲や水質汚染、劣悪な労働条件などを防いでいる養殖施設に与えられる。「認知度はまだ低いが(ASC表示のある商品は)今後伸びるはずだ」(土谷氏)と期待する。 イオンは今秋以降も、継続的に高付加価値型のPB商品を売り出し、変革を強くアピールしたい考えだ。 一方で、既存の加工品のトップバリュ商品も対象に、大規模なスクラップ&ビルドを進める。トップシェアを持つナショナルブランド(NB)商品に近い高品質で開発した既存品も含め、リニューアルしても販売目標に届かないと判断した場合は販売を取りやめる方針だ。厳しい基準で見直した結果、相当の数のトップバリュ商品が今年度中に姿を消す可能性もある。徹底した顧客目線へ
「GMS改革はまだ道半ば」(イオンの岡田元也社長)と認めるように、遅ればせながらもイオンが攻守両面でPB改革を進める間に、ライバルのセブン&アイは先を行っている。 地域ごとに異なる食文化などに合わせて「ご当地」の味付けのメニューを売り出したり、売れている商品でも絶えず味の改良を重ね、価格以上の価値を生み出すのに余念がない。それによって既存顧客のリピートを増やしながら、新たな顧客の開拓にもつなげている。 セブン&アイの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)は「安かろう、まずかろうでは今は売れない。質の追求でPBに革命を起こした」と語り、他社との絶対的な差異化をセブンは図ることができたと自負する。 改革に向けたイオンの取り組みは、トップバリュの中長期的な方向性を描き切れていないなど物足りなさも残す。ライバルもあの手この手を繰り出す中で、消費者の足を自らの店舗に向かわせるには、徹底した顧客目線への転換が欠かせない。イオンのPB改革が成功するかどうかは、消費者に寄り添った商品や売り場づくりをいかに早く実現できるかにかかっているといえそうだ。(永田岳彦)