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send アルミ圧延大手、海外で攻勢 米企業買収や新工場建設 自動車軽量化に商機

2016年4月1日 金曜日

  bsc1604010500002-p1   アルミ圧延大手が、自動車への採用拡大を狙い、海外での投資拡大や生産強化に動き出している。国内最大手で、2013年に古河スカイと住友軽金属工業が統合して発足したUACJが米国メーカーの買収に踏み切るほか、神戸製鋼所も中国や米国で新工場建設に動いている。環境・燃費規制の強化を踏まえ、自動車では軽量化のため外板(パネル)などを鉄からアルミに変更する動きが進みつつある。置き換えは世界的な流れで、各社では海外進出のまたとないチャンスとみている。   UACJは、年10万トンの生産能力を持つパネル材工場を6月に米ケンタッキー州で稼働させる。投資額は1億5000万ドル(約168億円)で、オランダのコンステリウムと共同で運営。母材と呼ぶ加工前の半製品を、同州内にある子会社の工場などから調達し、熱処理や表面処理を施して自動車メーカーなどに供給する。   また、5月までに自動車の骨格材を手掛ける米SRSインダストリーズ(ミシガン州)を1億5500万ドル(約174億円)で買収する。SRSは北米に4工場を持ち、日米の自動車大手に供給している。パネル材と骨格材の双方をラインアップに収めることで、「総合的に売り込む体制を構築する」(UACJ)のが買収の狙いだ。  

中国も旺盛な需要

  一方、神戸製鋼所は中国・天津に約190億円をかけてパネル工場を建設する。近くサンプル出荷を始め、来年初頭には本格稼働させる計画。母材は真岡製造所(栃木県真岡市)から調達する方針だ。天津周辺にはトヨタ自動車の合弁工場などがあり、パネル材の旺盛な需要が見込めると判断した。   神戸製鋼所は米国でもパネル工場の建設を検討。母材を調達する予定だった現地メーカーがコンステリウムに買収されたため、17年としていた生産開始時期は遅れる見通しだが、川崎博也会長兼社長は「実現に向け、あらゆる方策を検討している」と話す。   アルミは鉄より高価で加工しにくい一方、軽いため燃費性能を高めやすい。このため、米フォード・モーターが14年に発売した主力商品のピックアップトラックが総アルミボディー化されるなど、高級車以外にも採用が広がりつつある。  

UACJによると、12年に10万トン弱だった米国の自動車用パネル材市場は、20年に150万トンを超える見通し。こうした動きは新興国にもやや遅れて波及すると予想され、デロイトトーマツコンサルティングは足元で10万トンを切る中国需要も20年に60万トンまで増えるとみている。

  投資加速で2強追撃   ただ、アルミ圧延分野では米アルコアと米ノベリスが規模で抜きん出ており、国内最大手のUACJも3位グループにとどまる。アルコアとノベリスは既にパネル材で巨額投資に踏み切っており、日本勢の出遅れ感は否めない。そのうえ、巨大市場を虎視眈々(たんたん)と狙う中国メーカーの存在も侮れない。   UACJは3月20日、6月に稼働するケンタッキー州の工場について、追加投資の検討に入ると発表した。そこには、切れ目ない投資によって2大メーカーに遅れまいとする同社の決意がのぞく。市場が急拡大する今後数年間の対応が、勝負の分かれ目となりそうだ。(井田通人)

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