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アルミ圧延大手、海外で攻勢 米企業買収や新工場建設 自動車軽量化に商機
2016年4月1日 金曜日

中国も旺盛な需要
一方、神戸製鋼所は中国・天津に約190億円をかけてパネル工場を建設する。近くサンプル出荷を始め、来年初頭には本格稼働させる計画。母材は真岡製造所(栃木県真岡市)から調達する方針だ。天津周辺にはトヨタ自動車の合弁工場などがあり、パネル材の旺盛な需要が見込めると判断した。 神戸製鋼所は米国でもパネル工場の建設を検討。母材を調達する予定だった現地メーカーがコンステリウムに買収されたため、17年としていた生産開始時期は遅れる見通しだが、川崎博也会長兼社長は「実現に向け、あらゆる方策を検討している」と話す。 アルミは鉄より高価で加工しにくい一方、軽いため燃費性能を高めやすい。このため、米フォード・モーターが14年に発売した主力商品のピックアップトラックが総アルミボディー化されるなど、高級車以外にも採用が広がりつつある。UACJによると、12年に10万トン弱だった米国の自動車用パネル材市場は、20年に150万トンを超える見通し。こうした動きは新興国にもやや遅れて波及すると予想され、デロイトトーマツコンサルティングは足元で10万トンを切る中国需要も20年に60万トンまで増えるとみている。
投資加速で2強追撃 ただ、アルミ圧延分野では米アルコアと米ノベリスが規模で抜きん出ており、国内最大手のUACJも3位グループにとどまる。アルコアとノベリスは既にパネル材で巨額投資に踏み切っており、日本勢の出遅れ感は否めない。そのうえ、巨大市場を虎視眈々(たんたん)と狙う中国メーカーの存在も侮れない。 UACJは3月20日、6月に稼働するケンタッキー州の工場について、追加投資の検討に入ると発表した。そこには、切れ目ない投資によって2大メーカーに遅れまいとする同社の決意がのぞく。市場が急拡大する今後数年間の対応が、勝負の分かれ目となりそうだ。(井田通人)