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send アフラック、販路拡大で波紋 郵便局向け半額保険、代理店から反発

2014年10月3日 金曜日

  bse1410030500002-p1   米保険大手、アメリカンファミリー生命保険(アフラック)が1日に発売した日本郵政グループ専用のがん保険に、アフラックの既存の販売代理店が戦々恐々としている。自分たちが売るアフラックの主力商品に対し、半額の保険料を設定したからだ。激安の値付けと全国に張り巡らされた郵便局の強力な販売網。がん保険で圧倒的シェアを誇るアフラックだが、日本郵政が存在感を高めすぎるようだと、代理店との軋轢(あつれき)が生まれる可能性もある。   顧客争奪を懸念   「われわれを見捨てるのか」。日本郵政が8月末、新たながん保険を10月1日から発売すると発表した直後から、アフラックの営業部隊にはこんな言葉が浴びせられている。声を上げたのは販売代理店だ。   代理店の反応もうなずける。アフラックの代理店数は現在約1万6000社だが、そのうち約8000社が個人代理店で、そのほとんどが同社の専属だ。生保各社の保険を取り扱う“乗り合い代理店”ではない。それゆえに全国2万の郵便局で、自分たちの商品の半額で同ブランドのがん保険が売られれば、顧客が奪われて立ちゆかなくなるとの危機感を募らせている。   「皆さんが心配されるようなことは起こりませんよ」。アフラックの営業部隊は代理店にこう説明して回り、火消しに必死だ。   アフラックによると、販売代理店と郵便局を比較すると販売エリアと顧客層が違うため、両者は競合しないと説明する。   同社の販売代理店は全国にあるが、地方も含めて主な営業エリアは都市部で、顧客も割安な商品を好む層が中心だ。   これに対し、郵便局は地方の細部に至るまで販売網を張り巡らし、顧客も割安志向ではない。「タッチできなかった白地を郵便局でカバーできる」(同社)というわけだ。   過去には、2007年に銀行窓口での保険販売が全面解禁になった際、今回と同様に販売代理店に懸念が広がったこともあった。だが、実際には顧客層の違いから、代理店販売にほとんど影響はなかった。   商品を比べても、郵便局用はただ半額というわけではない。その分、がんで入院や通院する際の1日当たりの給付金は4000円で、自前のがん保険の1万円に比べ安く、先進医療に関する特約も削っている。   「同じ保障内容にするなら、追加して医療保険に加入しなければならず、保険料はそう変わらなくなる」(同社)という。しかも、実は同社も9月末に自前商品を刷新し、主力商品とは別に保障を減らした割安プランを用意。郵便局用ほど安くはないが「それでも主力商品と比べれば大幅に安い」(同社関係者)という念の入れようだ。両者のすみ分けは可能だとみる。   他社猛追に危機感   ただ、影響は蓋を開けてみなければ分からない。それほど、郵便局の販売網は強力だ。   かんぽ生命保険は4月に新しい学資保険の販売を始めたが、利回りが他社より劣っていたにもかかわらず、1カ月間の新規契約が従来の3倍強と好調な売れ行きだった。郵便局で売る半額のがん保険でも、アフラックの既存商品をのみ込んでしまう懸念は残る。   同社がリスクを冒す背景には、競合他社の猛追への危機感がある。がん保険=アフラックとのイメージは定着しているが、実はシェアは漸減している。   ■再成長へ戦略抜本的見直し観測   トップシェアの同社の2013年度の新規契約は、前年度比7.6%減の約60万件で、シェアは43%と2.7ポイント下落した。   一方、2位のメットライフ生命保険は19.7%増の約18万件、3位のAIG富士生命保険は16.5%増の約16万件。メットライフ生命は治療給付金、AIG富士生命は診断給付金を手厚くするなど工夫を凝らし、ブランド力がじわじわと上がっている。   日本生命保険など大手生保は、死亡保険に比べて保険料が少なく利幅の薄いがん保険に見向きもしなかった。だが、人口減少で国内の生保市場が伸び悩む中、医療・介護分野への攻勢を強め、販売競争は激しくなっている。   アフラックの保険料収入は13年度に16%減となり、1974年に日本で営業を始めて以来、初めて減収になった。   事態の打開に向け、個人代理店を中心としてきた販売網のあり方を模索している。   同社が日本市場に参入した当時、国内でがん保険への関心は低かった。“不治の病”として恐れられ、その話題すら避けたがる風潮もあった。そんな中、販売網のなかった同社の売り子となり、国内指折りの生保に成長するまで二人三脚で歩んできたのは個人代理店だ。   しかし、2000年以降は第一生命保険や大同生命保険といった大手、中堅生保と相次ぎ、代理店契約を締結するなど代理店網を拡大。そして今回、郵便局も加わった。郵便局の販売網の拡大は一気に全2万局まで広げるのではなく、提携当初の1000局から13年10月に1500局、14年3月に3000局、そしてこの10月には1万局と徐々に増やしてきた。じっくりと着実に保険販売の教育・指導をしており、郵便局を保険販売の“精鋭部隊”にしようという本気度がにじむ。   個人代理店から反発を受けてまでも、販売網の拡大に突き進むアフラック。再成長に向け、代理店戦略を抜本的に見直すのでは、との観測も流れている。(万福博之)

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