就活お役立ちビジネスニュース

send 日本のトラック3社、東南アで火花 “王者”三菱ふそうを日野、いすゞが猛追

2017年9月25日 月曜日

三菱ふそうトラック・バスのブランドアンバサダーを務めるインドネシアのシンガー・ソングライター、イワン・ファルス氏(左、同社提供)  

インドネシア市場を舞台に日本の商用車メーカー3社が火花を散らしている。首位の三菱ふそうトラック・バスを、ライバルの日野自動車、いすゞ自動車が猛追。対する三菱ふそうはトラックの整備サービスを拡充するほか、現地の国民的歌手と組んだプロモーション展開などで地盤強化を図り、王者の座を死守したい考えだ。さらにメルセデス・ベンツブランドの大型トラックの現地生産も始まり、インドネシアのトラック運転手たちは熱い視線を送っている。

インフラ投資追い風 「3年以内に必ずシェア50%を取り戻したい」 急速な都市化に伴う交通渋滞や二輪車の大群が名物のインドネシアの首都ジャカルタ。三菱ふそう車の現地販売を手掛けるクラマユダ・ティガ・ベルリアン・モーターズ(KTB)のオフィスで、義達孝弘マーケティングディレクターは日に焼けた顔で熱弁した。 インドネシアの商用車市場は三菱ふそう、日野、いすゞの3社がシェアの9割を握る。首位の三菱ふそうとインドネシアの関係は深い。1970年に市場参入し、75年には小型トラック「キャンター」を「コルトディーゼル」として発売。今年に入り累計販売100万台を達成した。 ただ、最近では日野、いすゞも健闘しており、三菱ふそうのシェアはピークだった2001年の65%から16年に46%に落ち込んだ。

KTBによると、インドネシアの商用車需要はピークの12年は14万6400台だったが、資源価格の下落などによる景気低迷の影響で昨年は半分以下の7万2200台に落ち込んだ。しかし、インフラ投資の増加を背景に、今年は8万5600台に回復すると見込む。

義達氏は「インドネシアの顧客は最先端技術への関心が高い。技術革新が市場に変化をもたらす可能性もある。10万台回復は堅い」と自信をこめて語った。 メルセデスも生産 ジャカルタから南へ約60キロの西ジャワ州ボゴール。三菱ふそうを傘下に持つドイツのダイムラーグループのワナへラン工場では8月29日、メルセデス・ベンツブランドの大型トラック「アクサー」の生産が始まり、政府関係者や従業員ら約700人が出席する記念式典が盛大に行われた。 民族衣装を着た男女による太鼓演奏や踊り、ダイムラー幹部や来賓らのスピーチの後、車両総重量25トンのトラックが登場すると、会場は拍手喝采に包まれた。

ダイムラーがトラックの生産設備などの新設に投じた費用は約2000万ドル(約22億円)に上る。インド南部チェンナイ近郊にあるオラガダム工場で生産、移送されてきたキットを完全ノックダウン(CKD)方式で組み立てる。生産能力は年間最大4500台で、ダイムラー子会社を通じて販売する。

「すべてのセグメントでナンバーワンを目指す」 ダイムラーの東南アジア地域リージョナル・センター統括のカイ・ウー・アーデン氏は、三菱ふそうを含めたマルチブランド展開によるインドネシア市場の「制覇」に向け高らかに宣言した。大型トラックは8モデルを生産する予定で、中・大型トラックで6割のシェアを占める日野自動車の牙城を崩したい考えだ。 「トラックという言葉よりもコルトディーゼルという商品名が定着している。それほど圧倒的なマーケットリーダーだ」 三菱ふそう車の現地主要ディーラー、スリカンディグループのディレクター、オスマン・アリフィン氏はこう指摘する。  

24時間整備施設増設

  三菱ふそう車の整備を行う24時間サービスセンターの作業の様子=8月30日、ジャカルタ     スリカンディグループがジャカルタ・チャクンに構える販売店は2015年から、運送業者などが使う三菱ふそう車の整備を24時間態勢で行うサービスセンターを併設。18人のスタッフが毎月650台の整備を行う。センター内には飲食スペース、仮眠室やシャワーなども充実し、インドネシアの物流を支える「トラック野郎」たちの憩いの場となっている。 こうした三菱ふそう車向けの24時間サービスセンターは国内に14カ所あり、「来年早々に20カ所に増やす」(KTBの義達氏)計画だ。 KTBは、国民的人気を誇る現地の社会派シンガー・ソングライター、イワン・ファルス氏を三菱ふそうのブランドアンバサダーに起用し、CMやライブによるプロモーション活動も展開している。 ファルス氏は、スハルト政権に反対し、1970年代と80年代に投獄された経験の持ち主で、「インドネシアのボブ・ディラン」とも呼ばれる。 その一方で、若い頃はコルトディーゼルで野菜の行商をしながら歌って生活したいという夢を抱いていたほどのトラック好きで、アンバサダー就任を快諾したという。 インドネシアでトラックの「代名詞」として愛される人気ブランドは王者の座を守れるのか、注目される。(宇野貴文)

フジサンケイビジネスアイ

就職コンサルナビ

イノベーションズアイ