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send 【迫る市場開放 TPPルポ】ブランド牛、規模拡大で勝負

2015年11月18日 水曜日

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■自民、農林水産分野のTPP対策決定

  自民党は17日、農林関係会合を開き、農林水産分野の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)対策を決めた。市場開放に備えて国産農産物の競争力を強化し、輸出も拡大して農業を成長産業に育てる。コメや牛・豚肉などは影響緩和策を用意し、農家の不安解消を目指す。   TPP発効へ向けた手続きが着々と進む中、現場での生産者の思いや課題を探った。 ◇ 日本有数の肉牛生産地、北海道十勝地方。上士幌町の国道沿いの広い敷地に15棟の牛舎が並び、中では1トンほどに育った肉牛がゆったりと餌をはんでいた。17種類のハーブが調合された飼料には、食欲増進や整腸作用の効果があるという。一握り顔に近づけると、スパイシーな香りがした。   ◆効率的な経営追求   十勝地方で肉牛の繁殖・肥育に独自の手法で取り組む「ノベルズ」は、グループ全体で約1万7500頭を飼育する道内最大規模の牧場だ。自社ブランドの「十勝ハーブ牛」は年間約3000頭を出荷している。   TPPの大筋合意で、関税引き下げによる牛肉の価格下落が懸念される中、9月末にはベトナムへ初の海外輸出を始め、来年からは月1トンの出荷を見込む。「世界に通用するには、規模拡大と効率的な経営を追求するしかない」と延与雄一郎社長(37)のビジョンは明快だ。   2006年12月に設立したノベルズは、ホルスタインと黒毛和牛の交雑種(F1)に人工授精した和牛の受精卵を移植し、子牛を産ませる手法を確立した。子牛を産んだF1は通常より半年以上長く肥育し、33、34カ月で出荷。十勝ハーブ牛としてブランド化させた。  

さらにF1から生まれた和牛の子牛は、全国の肥育農家に販売。子牛は農家の高齢化などで全国的に減っているといい、「和牛の子牛が高値で取引されるため、ハーブ牛の長期肥育に掛かるコストも賄える」という。

  効率化の工夫は随所に見られる。牛舎は牛の成長ごとに分けられ、受胎率や子牛の死亡率などさまざまなデータを厳密に管理し、社内で情報共有する。従業員約200人の平均年齢は33歳と若手中心だが、案内してくれた社員の本田三華さん(27)は「各部門の担当者が専門家のようになり、検証を繰り返しています」と話す。   ◆酪農事業にも注力   育成事業からスタートした同社が、十勝ハーブ牛の生産、販売に力を注ぎつつ、次に拡大を狙うのは酪農だ。12年に設立した清水町の牧場では、搾乳牛約1700頭を飼育。さらに頭数を増やし、18年度までに道内最大規模の年4万トンの生乳出荷量を目指す。   複数の事業を手掛けることで得られる相乗効果に加え、「デントコーン(飼料用トウモロコシ)を作る畑作農家と酪農家が提携できれば、地域共生につながり、戦略の一つになる」と延与さんは先を見据える。「TPPの影響は冷静な分析が必要。どんなルール変更があっても闘える土壌を築くことが、私たちの姿勢だ」と自信をのぞかせた。   一方、十勝地方でも、生産農家の赤字を穴埋めする補助金の財源となる関税収入が減ることに不安を抱く農家は多い。自治体や農業団体などでつくる「TPP問題を考える十勝管内関係団体連絡会議」は今月7日、幕別町で会合を開き、経営を持続させるための万全な対応を政府に求める方針を決めた。

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